フランスのヒッチコックと呼ばれるロベール・トマの戯曲を舞台化した「8人の女たち」の製作発表が13日、都内のホテルで行われ、浅野温子さん、荻野目慶子さん、加賀まりこさん、大地真央さん、戸田恵子さん、マイコさん、牧瀬里穂さん、南沢奈央さんという豪華な女優陣が勢ぞろいした。主役となる8人の女たちが壮絶なバトルを繰り広げる舞台で、加賀さんが「穏やかな老婦人役なんで、牧瀬さんのスカートとか、大地さんと浅野さんのとっくみ合いのけんかとかを男性目線で楽しみにしていますね」と余裕の表情を浮かべると、浅野さんは「今からうそ付いていますよね。どこが穏やかなんだか。もううそ付かなくていいんじゃないですか?」とかみつき、早くも火花を散らせた。
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「8人の女たち」は、02年にカトリーヌ・ドヌーブさんらフランスの大女優8人が演じた映画版では、ベルリン国際映画祭で8人全員が銀熊賞を獲得したという名作。クリスマスの夜、雪に閉ざされた邸宅で家の主人が他殺体で発見され、家にいた8人の女たちは、犯人捜しをするうちに、隠していた本性を暴かれていく……という物語。
大地さん演じる被害者マルセルの妻・ギャビーと、戸田さん演じるギャビーの妹・オーギュスティーヌの母・マミー役を務める加賀さんは「まさか、こんな大きな娘がいる母親役とはね。誰が主役でもない、8分の1になるつもりでみんなで面白い芝居を作っていきたい」と語り、演出のG2さんに“座長的役割”をお願いされても、「ただ年齢が上だからという理由で決めていただきたくないです。座長はあくまでもG2さん。おじさんですがやっていただきます」ときっぱりと断っていた。
一方、マルセルの実の妹、ピエレット役の浅野さんは「加賀さんが出ていると聞いたから」と出演を決めた理由をと話し、司会者から「加賀さんと戦いたかったということ?」と聞かれると、「そんな怖いことしません! 加賀まりこについて行きます」と慌てて否定し、会場を盛り上げた。
ベテラン女優がそろう舞台について、大地さんは「『すっごく仲良くなるか、すっごく仲悪くなるか、どっちかじゃない?』と言われた」と話し、荻野目さんは「『楽屋裏はどうするの?』とか聞かれました。皆さん異様なテンションで反応してくれる」と周囲の人々の反応を語り、牧瀬さんは「初日からいい意味で探り合ったりするんだろうなと思いました」、初舞台のマイコさんは「共演者のお名前を聞いて、私は出ちゃいけない人だなと思いました」と不安な気持ちを語った。
同公演は「ル テアトル銀座 by PARCO」(東京都中央区)で12月9~25日、「森ノ宮ピロティホール」(大阪市中央区)で12年1月7~9日、「ウインクあいち」(名古屋市中村区)で12年1月13、14日に上演予定。問い合わせはQuarasエンタメ事務局(03・3779・2681、平日午前10時~午後6時)まで。東京公演、大阪公演は発売中、名古屋公演は10月29日から発売開始。(毎日新聞デジタル)