ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
話題の小説の魅力を担当編集者が語る「ブック質問状」。今回は、情報端末によって監視された近未来に生きる少女たちを描いた「ルー=ガルー」シリーズ(京極夏彦著)です。講談社の河北壮平さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
「ルー=ガルー」シリーズは、京極氏の作品としては珍しい、近未来で6人の少女たちが活躍する冒険&ミステリー小説です。携帯端末が普及し、ほとんどすべてのコミュニケーションがネットワークを介して行われる世界。そこで少女たちは、殺人事件に巻き込まれ、真相を追ううちに、巨大な組織の陰謀に立ち向かうことになる……。近未来に生きる繊細な少女たちの心の動きと、悩みながらも成長していく彼女たちの姿は、ほのぐらい世界の中にともされた希望のようです。大人はもちろん、主人公たちと同年代の若い読者にも読んでいただきたい傑作です。
−−今回、10年ぶりに続編が生まれたきっかけは?
元々、「ルー=ガルー」シリーズの構想は10年前からあったそうです。(当時、すでにシリーズ5作目までの構想があったとか!)根強いファンがいるシリーズですし、読み返しても、まったく古びるところがないこの物語を、今改めて、読者に読んでいただきたいと思いました。3作目は10年お待たせすることがないように、これからのシリーズを読者の方々に期待していただきたいです!
−−作家さんはどんな方でしょうか?
……怖い!ことはないですよ、全然(笑い)。怖いというイメージが強いらしいのですが、実際はものすごく優しい方です。唯一怖いとすれば、あまりにも博覧強記かつ、洞察力があって……まるですべてを見通されているのではないか、と思ってしまうところでしょうか。僕がごまかそうとしていることは、ほぼ間違いなくバレています。いつもごめんなさい。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮したこと、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
一読者としても待ち続けた10年ぶりの続編を最初の読者として読めた興奮は忘れられません! また単行本、ノベルス、分冊文庫、電子書籍の「4形態同時発売」という出版史上初の試みにはさまざまな苦労はありました。ですが、少しでも多くの読者の手元に、この作品を届けられれば、それが一番うれしいです。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
3作目のタイトルは、「ルー=ガルー3 ハルピュイア 穢(けが)れし鉤爪(かぎづめ)」……となる予定です! 次作の構想も少しお聞きしていますが、これは絶対面白くなります。主人公の少女が誰になるか想像しながら、読者の方々には「ルー=ガルー」シリーズの応援をよろしくお願いいたします!
講談社 文芸図書第三出版部 河北壮平
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