はじめの1巻:「おいしい学び夜」 調理師学校を舞台にした“大人の青春”料理マンガ

原作・北島和洋さん、マンガ・大井昌和さんの料理マンガ「おいしい学び夜」(講談社)1巻の表紙
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原作・北島和洋さん、マンガ・大井昌和さんの料理マンガ「おいしい学び夜」(講談社)1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、「モーニング・ツー」(講談社)で連載、調理師専門学校を舞台にした、原作を北島和洋さん、マンガを大井昌和さんが手がける料理マンガ「おいしい学び夜」です。

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 繁華街に建つ調理師専門学校に、ある事情で体験入学した社会人の出雲志信と永島猛。同じ体験入学者の美女たちに目を奪われる永島をしり目に、志信は講師の華麗な包丁さばきに息をのんでいた。見学だけのつもりが、講師から「君は入学する」と声をかけられる志信。そこへ磨き上げられた数々の包丁が運び込まれ、志信は思わずのけぞってしまう……。

 ◇編集部からのメッセージ モーニング編集部 都丸尚史さん、田岡洋祐さん 「料理マンガと学園マンガの面白さをクロスさせた」

 某・著名原作者との打ち合わせで「調理師学校を舞台に“大人の青春”を描く」という企画が出てからまもなく、その方はすべての仕事をいったんやめて、本当に調理師学校夜間部に入学。1年半通って、ちゃんと卒業されました!(周囲は仰天)

 そして新しいペンネーム北島和洋で書いた原作がこの作品。ですからエピソード全部にリアルな体験の裏打ちがあり、それが面白さの核となっています。

 一方、調理実習の過程は分かりやすく、完成した料理はおいしそうに、さらには夜間部に集う美女たち(共通項があります)を魅力的に描け、という高いハードルを楽々クリアしているのがマンガ家の大井昌和さん。

 主人公の淡泊な理系男子も、SF好きな大井さんが描くと、その理屈っぽさがどこか笑えて、愛らしく見えてくるのです。

 お2人の抜群のコンビネーションのおかげで、料理マンガと学園マンガ、両方の面白さをクロスさせることが可能となりました。毎回の打ち合わせは明るく楽しく、熱気があります。これもまた“大人の青春“だなあ、と感じています。

 それにしても北島さん、夜間部でモテすぎです。そろそろマンガに反映させないと……?

 ◇書店員の推薦文 伊吉書院類家店 中村深雪さん「夢のための勇気のきっかけに」

 社会人になって学校に入りなおすって、大きな理由や覚悟が必要ですよね。でも夢のためなら何歳になってもその覚悟ができる。このマンガを読んでそういう勇気を出すきっかけになればいいなと思います。志信の教室は、同じ目的を持っているということで早くも生徒達の結束ができてきていてすごく楽しそうです。最初の数話は生徒それぞれの生活を中心に描いているのですが、後半はしっかり料理マンガ。チャーハンの作り方、勉強になりました。刃物に恐怖を抱きながらも真摯(しんし)な姿勢を見せる志信が今後どんな成長を見せてくれるのか楽しみです。

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