篠原涼子さんが敏腕刑事・雪平夏見を演じた人気ドラマシリーズ「アンフェア」の11年9月に公開された劇場版第2弾「アンフェア the answer」のDVDとブルーレイディスク(BD)が3月21日に発売される。主人公の雪平はバツイチ、子持ち、大酒飲みだが鋭い嗅覚と執拗(しつよう)な捜査で難事件を解決する不思議な魅力を持った女刑事で、篠原さんの当たり役といわれ、06年1月に連続ドラマがスタートし、その後、スペシャルドラマや映画化もされている。今回の劇場版では気温氷点下10度の酷寒の北海道紋別市で一部ロケをし、「寒さでおかしくなりそうでしたけど、町の人たちが待機部屋に温かい食べ物を用意してくださったりして、室内は逆に汗をかきながら撮影していました」と振り返る。そんな篠原さんに雪平というキャラクターについて、また撮影の以外のオフの過ごし方や生き方について聞いた。(毎日新聞デジタル)
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上司役の佐藤浩市さんとのラブシーンなど、これまでになく雪平の“女”の部分が表に出ている今作。女性らしさを出すために工夫したことを聞くと、「今回は(主要キャストに)女性がほぼ1人しか出ていないので、何かフェロモンを出したり、演技の引き出しをガーッと開けなくても、周りが全部男性で、そこにいるだけで自動的に女らしく見えるというのはありましたね。そういう意味ではそんなに努力しなくても大丈夫だったので、助かりました」と自然体で語った。
手応えを感じた撮影を終えて、11年9月に映画が公開されると週末の観客動員数で2週連続1位を獲得。「自信があったから早くみんなに見せたかった」と話していた篠原さんだが、結果については気にしていなかったそうで、「え、1位だったんですか? 知らなかった。今知りました」とあっけらかんと笑う。「私、売り上げとかそういう数字にあまり左右されないんです。あまりそういうのを気にしちゃうと演技ができなくなっちゃうから。お客さんが見てくださったという感謝の気持ちを持つのは、最後の最後に(結果を)聞けた方が計算なしで演技ができるので。今知って、うれしいです」と喜んだ。
公開前には東京湾に花火を打ち上げたり、大阪では真夏に雪を降らせたりとド派手な演出のイベントを行った。「(キャストやスタッフが)みんななんか浮かれたように楽しんじゃって。お祭りみたいで楽しかったですね。レッドカーペットでサインとか求められて、私が書き始めたら、みんなも書いていて、全員進まなくなっちゃったこともありました。それくらい、みんなに(感謝の)気持ちを伝えたかった」と「アンフェア」ファンへの感謝の気持ちを惜しみなく表現する。
そんな撮影にPRにと忙しい毎日を普段は送っている篠原さん。お休みの日があると「1日、掃除とかして過ごしていますね。ずっと掃除で終わっちゃうこともあります。なんか、ハマっちゃって。何やっているんだろうと思いますけどね(笑い)。子どもと遊んで、夕飯作って、掃除してで終わっちゃう1日が」と笑顔で語った。また、もし長期の休みがあったら「家族との時間を大事に、ゆっくり、のんびり、どこに何かをしに行くとかではなく、ボケッとしたいですね」と思いをはせていた。
女優として輝いている篠原さんだが、女性が50、60代になっても輝き続ける秘訣(ひけつ)を聞くと「難しい質問ですね……。恋愛をして、いろんな出会いを大事にしていくことかな」と考え込みながらも、篠原さんらしい答えを導き出していた。
<プロフィル>
1973年8月13日生まれ。群馬県出身。90年に「東京パフォーマンスドール」のメンバーとしてデビュー。94年にシングル「恋しさとせつなさと心強さと」をリリースし、220万枚以上の売り上げを記録。01年ごろから本格的に女優業に移行し、同年に映画「冷静と情熱のあいだ」、ドラマ「カバチタレ!」(フジテレビ系)に出演。05年に主演したドラマ「anego」(日本テレビ系)が話題となり、06年には「アンフェア」(関西テレビ・フジテレビ系)のテレビシリーズがスタート。同年にスペシャルドラマ「アンフェア the special コード・ブレーキング~暗号解読」を放送。07年には映画化第1弾「アンフェア the movie」が公開された。同年6月にはギャラクシー賞個人賞を受賞。コメディーからシリアスまで幅広い役柄がこなせ、その演技力が高く評価されている。「アンフェア the answer」のブルーレイディスク(BD)とDVDはそれぞれプレミアムエディションとスタンダードエディションの2種が3月21日に発売予定。