田中慎弥さん:「共喰い」が発売4週目にして総合首位に 芥川賞受賞作でオリコン初

田中慎弥さん著「共喰い」の表紙
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田中慎弥さん著「共喰い」の表紙

 23日発表されたオリコン週間本ランキング(27日付)によると、1月27日に発売された第146回芥川龍之介賞(以下、芥川賞)を受賞した田中慎弥さんの「共喰い」(集英社)が、発売4週目で週間2万8000部を売り上げ、初の総合部門首位を獲得した。08年4月に同ランキングの集計を開始して以来、芥川賞受賞作品が総合首位になるのは今回が初めて。

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 同賞受賞作のこれまでの最高位は、第144回に受賞した西村賢太さんの「苦役列車」(新潮社)が記録した6位(11年2月7日付)。ほかに第141回に受賞した磯崎憲一郎さんの「終の住処」(新潮社)が7位(09年8月24日付)、第144回受賞の朝吹真理子さんの「きことわ」(新潮社)が10位(11年2月7日付)を獲得している。

 「共喰い」は、昭和63年の夏を舞台に、暴力癖のある父と同じ習性を受け継いでいることを自覚し、怯え、葛藤する、17歳の少年・遠馬の姿を描いた逃げ場のない濃密な血と性の物語。先月17日の受賞発表直後に行われた会見での田中さんの発言にも注目が集まり、発売後から順調にセールスを伸ばし、4週にわたって5位以内をキープ。今月17日に行われた同賞贈呈式でのわずか一言だけのスピーチも話題となった。

 今週の同部門は、2位に現役医師・中村仁一さんが“自然死”を提言する「大往生したけりゃ医療とかかわるな」(幻冬舎)がランクイン。藤巻健史さんの「なぜ日本は破綻寸前なのに円高なのか」(幻冬舎)が7位となった。大食いの女性タレント・ギャル曽根さんがダイエットレシピを紹介した「ギャル曽根流大食いHAPPYダイエット」(マガジンハウス)が11位、俳優の向井理さんの「向井理、ビストロ修行ハングリー!な簡単レシピ53」(マガジンハウス)が12位だった。(毎日新聞デジタル)

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