吉本興業の大崎洋社長が、沖縄県宜野湾市などで開催の沖縄国際映画祭の会期中に同地で毎日新聞デジタルのインタビューに応じ、新春の会見で「紳助の復帰を希望」と発言した真意を明かした。
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大崎社長は1月4日に大阪市内で開かれた同社の新プロジェクト発表会で、昨年8月に芸能界を引退した島田紳助さんについて「私たちは彼の才能を惜しむ者です。願わくば、社会の皆さま、ファンの皆さまのご理解を得て、いつの日か吉本興業の元に戻ってきてくれるものだと信じております」と復帰を希望する発言をした。さらに「この思いは、私たち全社員、全タレント、全芸人の思いでもあります。どうかご理解をいただきたいと思います」と理解を求めた。この発言はマスコミ各社で大きく報道され、復帰の是非を巡って波紋を呼んだ。
その後、大崎社長は(3月)25日に同地で開かれた「吉本東風衛視」の記者会見の場など、ことあるごとに「正月会見のことは忘れたい」と発言していた。その理由をたずねると、「忘れたいと言ったのは、全然忘れたくなくって、あのとき私が言った言葉が、どうしてああいう記事になったのか。紳助発言を忘れたいとか(ではなく)、復帰させたいと言ってないのに書いてしまったメディアのことを嫌だと思うのを忘れたい、というのが本当の気持ちで。そういう意味で、『それはさておき』とか『忘れたい』とか言っていて、本当は全然忘れてない」と語り始めた。
その上で、新春会見での発言の真意について「久々に(本拠地の)大阪で、1月4日なので地方のメディアの方も3日から前日乗り込みで来ていただいている方もいらっしゃる。(会見の内容は)吉本百周年の、一企業のことなのに申し訳ないなということと、紳助のことなんか言わな、でもそれを言ってしまうとそもそもの趣旨と外れるな、でも触れないのも失礼かなと思って簡潔に言ったというのが一つと、やっぱりよくも悪くも疑似家族のようなところ(会社)なので、不謹慎なんですけど、半分は全社員と全タレントに向けて『反省はします。でも反省した後には、吉本に帰ってきたらいいんだ。うちはそんなにバサバサ切るような冷たい会社じゃないよ』というのを言いたかったというのが本当のところ。記者会見の場を利用したらいかんのですけれども、ここで言っとかないと、会社の内部というか、バランスが悪くなるんじゃないかと思ったりもしていまして、それで言おうと思ったんですけれどもね」と明かした。
大崎社長の発言を受けて、所属のタレントらは自身の考えを求められる場面もあった。「(ダウンタウンの)松本(人志さん)もなんか言ってくれてたな。『あの人(大崎社長)は変な人だから』とかかばって言ってくれたと思うんですけど。まあでも、変な部分もあるから、変なやつも集まってきてくれて、面白い芸人さん(の集団)にもなるというのが、あるんと違うかなと思いますけど」とお笑い芸人が数多く所属する同社を束ねる社長らしく、子を見守る親のように目を細めた。(毎日新聞デジタル)