三宅久之さん:評論活動から引退 「TVタックル」卒業でたけし感謝

「ビートたけしのTVタックル」の最終収録を終え、会見した三宅久之さん
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「ビートたけしのTVタックル」の最終収録を終え、会見した三宅久之さん

 政治評論家の三宅久之さん(82)が31日、東京・六本木のテレビ朝日で人気番組「たけしのTVタックル」の最終収録を行い、司会のビートたけしさんとともに記者会見した。10年にわたってご意見番を務めた三宅さんは「名残惜しいんですが、実はこうやってお話ししてても息が上がるんです。かんしゃくを起こして人を怒鳴ってるときに一服つかないと後が続かなくなっちゃった。自分で見てても賞味期限切れたなという思いがありましたので、わがままを聞いてもらった」とあいさつ。「すべての評論活動から引退しようと思ってます。私のような老骨がうろうろしなくてもね」と率直な胸の内を明かした。

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 今後は、当面「たかじんのそこまで言って委員会」(よみうりテレビ)にのみ出演予定。三宅さんは、「やしきたかじんがガンで入院してるんですが、こっそり抜け出して、楽屋まで来て『頼みます』と言われてるんで、4月いっぱいか、5月はじめまでは続けたい」と説明したが、「実は羽田空港でも伊丹空港でも、車いすで移動してるんです。ハーハー言いながらやっても聞き苦しいでしょう」と笑顔で話していた。

 たけしさんは、三宅さんを模した「胸像」をプレゼントし、「未来永劫(えいごう)、テレビ朝日の玄関に飾ります! 三宅基金を作って、立派なブロンズ像にしたい」と笑わせ、「三宅さんの後任は小泉純一郎です!」とジョークを飛ばしていたが、「『TVタックル』は、ゲストのおかげでもってる番組なので、いろんな方が支えてくれましたが、近年は三宅さんがひとりで引っ張ってくれた。すきっとさせてくれるコメントがいっぱいあって、代弁してもらっているようで、我々もありがたかった。番組にも貢献していただいて、ありがとうございました」と感謝した。

 三宅さんは1953年、早稲田大卒業後、毎日新聞社に入社。政治部記者として活躍し、政治部副部長、静岡支局長、特別報道部長などを歴任。76年に退社し、78年からテレビ朝日「ANNニュースレーダー」でキャスターを務め、政界での幅広い人脈に基づく評論と歯に衣(きぬ)着せぬ辛口の発言で人気となり、多くの情報番組などに出演してきた。

 この日は、4月2日放送の3時間スペシャルを収録。番組では、01年11月から同番組に「ご意見番」として出演した三宅さんの卒業を記念して、三宅さんの爆笑発言集や名場面、懐かしの名バトルを紹介。たけしさんや阿川佐和子さん、大竹まことさんらとともに、「タックル」でともに見守ったこの10年の日本を振り返った。「ビートたけしのTVタックル春の3時間スペシャル『ありがとう!三宅久之さん卒業記念 シロアリに乗っ取られた永田町に最後の一喝スペシャル』」は、4月2日午後7時から9時48分に放送予定。(毎日新聞デジタル)

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