モデルで女優の菊池亜希子さんが出演している映画「わが母の記」(原田眞人監督)が全国で公開中だ。役所広司さん演じる作家・伊上洪作が主人公の映画は、井上靖さんの自伝的小説が原作で、11年8月にカナダで開催された「第35回モントリオール世界映画祭」で審査員特別グランプリを受賞した。親子の絆を豪華キャストで描いた作品で、菊池さんは洪作の3人の娘の中で、病弱ながら意志の強い次女・紀子を演じている。オフの日は予定を立てず「思ったときにパッと行動する」という菊池さん。「友だちを急に誘ったりして、誰もつかまらなかったら1人で出かける。半日で仕事が終わったら『あそこに行ける!』とか割とフル回転で動いてます」とフットワークは軽いが、「家が大好きなんです」と意外な答えが返ってきた。(毎日新聞デジタル)
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よく出かけるのに「家が大好き」とは? 「休みの日に1日空くなと思ったら、なるべく朝早く行動して、早く家に帰りたいんです。家でゆっくりご飯を食べたい」と理由を説明した。例えば、あるオフの日は「フラッと電車で遠くに行って、道端で売っていたお野菜とかを買う。同じマンションに友だちが何人か住んでいるので、よく友だちとご飯を食べるんですけれど、買って帰ったものを使って家で献立を考えるのがすごく楽しい」と話し、「外に出ているからこそ、家に帰って来てホッとする。家で楽しく過ごすために外に出た方が、いろいろ楽しいものを持って帰って来られる」と笑顔で語った。
菊池さんのオフの日のテーマは「わざわざ何かをする」だという。外に出るときは何も考えないというが、「家で過ごすときの方が張り切りますね。例えば、どう考えても明日は天気が悪いと思うと『堂々と家の中にいていい日だ』って、逆にちょっとワクワクする」と独特の感性を持ち合わせている。
「わざわざ自分だけのためにケーキを焼いてみたり、じっくりお茶を入れてみる。地味なんですけれど、“わざわざ”するっていうのが好き。家で映画を見るときは、おやつも買っておいて、毛布をちゃんと掛けて、犬をちゃんと自分のひざに乗せて準備をする」という。そういった考え方は小さいころからだといい、「母親が喜びをいちいちかみしめる人なんです。たまに実家に帰ると、母親と出かけて、夜一緒に楽しむものを作っています。『DVDを見るから、あのお菓子を買っておこうか』って(気分を)盛り上げるんです。時間を最大限に楽しむのは母譲りかもしれない」と語った。
そんな菊池さんに10年後の自分について聞くと、「あんまり大きく変わっていないといいな。ちゃんと自分のことが好きだといいな。無理していないといいな」と思いをはせた。結婚については「私の周りは本当に早かったので、もうとっくにみんな子どもがいる、という人が多いんです……」と自身はまだイメージがわかない様子だが、「今のところすごく結婚したいと思っているわけではないんですけれど、自分と同じくらい大事な人がいて、その人と一緒に生きていくのは一番幸せなことなので、(10年後は)普通に結婚していたらいいですね」といい、理想の相手は「優しい、温かい人、人の気持ちが分かる人がいいですね」と明かした。
菊池さんに今後やってみたいことを聞くと、CMで共演した俳優の高良健吾さんから勧められた「スカイダイビング」だという。「高良君はスカイダイビングをして、相当それが楽しかったみたい。(CM撮影の)待ち時間ずっとその話を聞いていたら、私も『飛んだ方がいいのかな』っていう気分になった(笑い)」といい、「私は高いところは全然平気なので、飛べる気がする。30歳の記念とか、機会があったら飛んでみたい」と、新たなチャレンジに目を輝かせていた。
<プロフィル>
82年8月26日生まれ、岐阜県出身。ファッション誌「PS」(小学館、11年12月に休刊)でモデルとして活躍し、05年からは同誌でイラストとエッセーをすべて手がけるコーナー「道草」を連載していた。主な映画出演作に「ぐるりのこと。」(08年)、「森崎書店の日々」(10年)、「ファの豆腐」(11年)などがある。4月18日に、自身が編集長を務めたファッションライフスタイル本「菊池亜希子ムック マッシュVol.1」(小学館)を発売した。出演した映画「わが母の記」が公開中。秋には主演映画「みちのおく~よだかの星~(仮)」が公開予定。