脚本家で演出家の三谷幸喜さんが初めて翻訳戯曲を演出する「三谷版『桜の園』」の公開舞台げいこが8日、パルコ劇場(東京都渋谷区)であり、主演の浅丘ルリ子さんが三谷さんらと登場した。三谷作品に初出演する浅丘さんは「すっごい楽しい! すっごいダメ出しが長い!」と三谷さんの演出の感想を語り「本当はチェーホフやシェークスピアは好きではなくて(過去の出演依頼を)断ったことがあるんです。今回は三谷さん演出ならどうなるんだろうと思って引き受けました」と明かした。
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「桜の園」はロシアの劇作家で小説家のアントン・チェーホフによるチェーホフ四大戯曲の一つ。20世紀初頭の南ロシアを舞台に、競売にかけられる“桜の園”とその所有者のラネーフスカヤと彼女を取り巻く人々の姿を描く。三谷版は同戯曲を喜劇としてとらえ、コメディーとして演出する。浅丘さん、市川しんぺーさん、神野三鈴さん、大和田美帆さん、藤井隆さん、青木さやかさん、瀬戸カトリーヌさん、高木渉さん、迫田孝也さん、阿南健治さん、藤木孝さん、江幡高志さんらが出演する。
三谷さんは「チェーホフは(「桜の園」を)コメディーとして作っている。読んでみると笑えるところがたくさんあって、喜劇作家である僕こそが喜劇として演出すべきだと思った。本当にチェーホフがやりたかったであろう『桜の園』になっています」と自信を見せた。浅丘さんは共演の藤井さんと青木さんについて「アドリブでいろんなことが出てくる。この2人ほどとてつもない長いせりふを話し、いろんなことをやる俳優はいない」と絶賛し「とても軽やかで楽しい『桜の園』です」とアピールした。
公演はパルコ劇場で9日~7月8日。大阪・森ノ宮ピロティホール、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場ホールでも巡演される。パルコ劇場では6月から3カ月連続で「三谷版『桜の園』」とともに、初ロングラン作品「なにわバタフライN.V」、初の文楽に挑む「三谷文楽『其礼成心中(それなりしんじゅう)』」と初ものづくしの3作品が上演される。(毎日新聞デジタル)