ディズニー/ピクサーの新作「メリダとおそろしの森」(マーク・アンドリュース監督)で、主人公メリダの日本語吹き替え版の声優を務めたアイドルグループ「AKB48」の大島優子さんが、「魂を込めて一つ一つ、声を入れた」とアフレコへの熱い思いを語った。(毎日新聞デジタル)
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初めて女性が主人公となった今作は、スコットランドのある王国が舞台。馬を駆り、弓を射るのが大好きな王女メリダは、自由に生きることを夢見ていたが、ある日禁じられていた「森の魔法」を使ったことから、王国は呪いをかけられ、存続の危機に直面する。王国と愛する家族を守るため、メリダは森に立ち向かう……という物語。
メリダ役に決まったとき、うれしさと同時に大きな不安を抱えたという大島さんは「なんで私なんだろう。(女優なら)表情とか動きをプラスして声を出すから、どちらかに助けられる(演技できる)。声だけだと助けられる部分がないので、それだけで表現できるパワーを持っている声優さんってすごいなと思いましたし、(私には)できないと思いました」と当時の心境を語った。
しかし、実際にやってみると「すごく楽しかったですね! こんなに自分の声だけで表現できるんだ」と目を輝かせる。最初に学んだのは相手との距離感だといい、「どれぐらいの大きさで声を出すか、相手が誰かということが非常に重要でした。弟たちだったらお姉さんという気持ちで、お母様なら少し反抗心があるけれど、皮肉にならずに愛情も込めて、お父様にはちょっとデレッとわがままをいえるような感じで話しました」とそれぞれの声の出し方のこだわりを語る。そして、「お芝居をやるときにはそこまで考えてなかったので、(声は)本当に大切なんだと教わりました。今後自分が演技をやっていく上でも、声で演技しようと思いました」と今回の経験を、今後の女優業に生かしたいと語る。
そんな大島さんの意気込みが生かされたのは、家族の食卓のシーン。「一言一句、誰に対してか、どれくらいの距離感かとすべて細かく考えながら声を入れました。すごくたくさん(何回も)やりました。台本が赤ペンだらけで、今は何が書いてあるか分からないくらいになっちゃってる」と苦笑する。吹き替えのときには、自分がメリダになったと思って演じたといい、「画面の中のメリダに入っているかのように、想像しながらやりました。最後のシーンは、泣きながら声を入れました」と明かした。
吹き替えを終えた今の感想は「皆さんに見ていただくまではホッとできない。自分の家族が見て、何か言ってくれたらホッとできるかも。一番に家族に見てもらいたいです」と話した。メリダ役については「すごく大きな宝物をもらいましたね。もうこれ以上のものはいらないって思うくらい、やり切りました!」と達成感を感じたようで、「自分にも似ているので、今はメリダを分身のように感じています! メリダがみなさんにも愛されるキャラクターになってほしいです」とキャラクターへの愛着も語った。
ピクサーの大ファンだという大島さんは、ディズニー/ピクサー初の女性主人公・メリダへの思いを「ちょっと憎たらしくて、可愛いです。愛らしいですね。私は、彼女のボサボサヘアがすごく好きで、今までのプリンセスとは違い、こんなにも自然児で親しみやすいと思いました」と太鼓判を押した。また、「メリダの行動や言葉からは勇気をもらえます。自分の運命を変えようという願望は誰にでもある。そんなときに背中を押してくれると思いますし、運命って自分で切り開くことができるんだってことを教えてくれる。私もこの作品でいっぱい勇気をもらえたので、皆さんにも何か変えようという力をあげられたら」とメッセージを送った。映画は21日から全国で公開。3Dも同時上映される。
<プロフィル>
おおしま・ゆうこ。88年10月17日生まれ、栃木県出身。血液型はB型。趣味はスノーボード。秋元康さんが総合プロデューサーを務めるアイドルグループ「AKB48」のチームKに所属。4人組派生ユニット「Not yet」のメンバーとしても活躍している。
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