リュック・ベッソン監督の大ヒット映画「ニキータ」のラストから3年後を描くという設定で始まった米テレビシリーズ「NIKITA／ニキータ」。映画「チャーリーズ・エンジェル」や「ターミネーター4」の監督として知られるマックGさんが製作総指揮を務める本シリーズのセカンドシーズンのブルーレイディスク（BD)とDVDが、9月5日に発売された。PRのために来日した主演のマギー・Qさんに同作について聞いた。（りんたいこ／毎日新聞デジタル）

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　「NIKITA／ニキータ」は、ベッソン監督版「ニキータ」の設定を踏襲しながら、映画の後日談を描いているところに特徴がある。政府の裏の仕事を担う秘密組織「ディビジョン」から逃亡したニキータが、自身の復讐とディビジョンの暴走を食い止めるために、組織の極秘任務を阻止する姿が描かれている。

　マギーさんいわく、セカンドシーズンは「ファーストシーズンと世界がガラりと変わる」。前シーズンで、ニキータがスパイとしてディビジョンに送り込んだアレックス（リンジー・フォンセカさん）は、今シーズンでは敵となり、ニキータ自らが表立って活動する機会が増えた。「ニキータとは、ファーストシーズンでじっくり付き合い、彼女に対する理解は深めていた」とはいえ、今シーズンでは彼女の過去が明らかになることで、人物造形はより複雑になり、そのぶん演技の面では苦労したという。

　苦労したのはアクションも同じ。いくら「M：i：3」や「ダイ・ハード4．0」などに出演し、アクションをスタントなしでこなせるマギーさんであっても、ヒールの高い靴やミニスカートでのアクションは、正直つらかった。「本当に毎週、戦いにくい格好でやらされているわ。彼ら（男性スタッフ）は、そのあたりのことを考えてくれないのよ。私自身はトレーニングウエアで戦いたいところだけど、セクシーじゃないからと許されない。男性共演者からは『大変だね、君じゃなくてよかった』といわれるほどよ」と苦笑する。常に自ら衣装変更の提案をするが、それが受け入れられるのは状況次第。「例えば、パーティーに参加しているとき、状況が変わって走り出したり、ジャンプしたり、戦ったりというときはしょうがない。スーパーマンのように衣装を替えるわけにはいかないもの」と理解を示す。

　撮影中、危ない目に遭うこともあった。坂道を駆け下りながらの発砲シーンでは、火薬がシャツの中に入り、「ものすごく熱かったけれど撮影中にカメラを止めるわけにはいかないから必死に演技し続けたわ」と女優魂を見せたたことも。

　そうした苦労の一方で、ニキータを演じ続けたことで役立ったこともある。「トレーニングを受けているせいで何事にも反応が早くなった。受け身もうまくなったわ」。また、記憶力も「抜群によくなった」という。1年のうち、「ニキータ」の撮影期間はかれこれ10カ月。「スケジュールがとてもきつくて、常にせりふを覚えている。お陰で撮影がオフの間に公演を頼まれたりすると、すぐにいろんなことが記憶できるようになった」と笑顔を見せる。

　苦労と役得の両方をもたらしたニキータ役について、身ぶり手ぶりを交え、ざっくばらんに話してくれたマギーさん。そのマギーさんが、セカンドシーズで一番のお気に入りエピソードとして挙げたのは、第19話「心の闇」だ。「最高の台本よ。とにかくダークでショッキングなの。ニキータの恐ろしい一面が出るエピソードで、台本を読んだときは恐ろしくて、それを書いた脚本家に電話をして、撮影のときは一緒にいてほしいとお願いしたほどよ」と明かす。すでにサードシーズンの制作も決定している。そのエピソードを含め、セカンドシーズンのマギーさんの活躍をぜひDVDでチェックしてほしい。

　＜マギー・Qさんプロフィル＞

　1979年生まれ。米ハワイ州ホノルル生まれ。18歳のときに香港に拠点を移し、モデルとしてアジア圏を中心に活動。日本でも資生堂や日本コカ・コーラなどのCMに出演した。00年、「ジェネックスコップ2」で映画デビュー。ジャッキー・チェンさんと共演した「ラッシュアワー2」（01年）でハリウッドに進出。06年、「M:i：3」、07年、「ダイ・ハード4．0」に出演した。

　＊……米ドラマ「ニキータNIKITA」セカンドシーズンコンプリート・ボックスは5日発売。ブルーレイディスク（BD）4枚組み1万7000円。DVD11枚組み1万5000円。11～12年制作／全23話／各話約43分／音声1：オリジナル英語、音声2：日本語／字幕1：日本語、字幕2：英語、字幕3：日本語吹き替え用。DVDはVol．1～6がレンタル中。Vol．7～11は5日にスタートした。発売元：ワーナー・ホーム・ビデオ。