昨年は“不動のセンター”と呼ばれた前田敦子さん(21)の卒業が大きなニュースとなったアイドルグループ「AKB48」。前田さん不在で行われた昨年の「第4回AKB48選抜総選挙」では、大方の予想通り、前田さんのライバルだった大島優子さん(24)がセンターの座を勝ち取った一方で、渡辺麻友さん(18)や松井珠理奈さん(15)ら“次世代エース候補”と呼ばれる10代のメンバーの台頭も目立ち、世代交代の兆しが見えた。さらに「29thシングル選抜じゃんけん大会」で優勝した島崎遥香さん(18)や姉妹グループ「NMB48」のチームNのキャプテン・山本彩さん(19)らの活躍にも注目が集まり、次世代エースをめぐる戦いは混沌の様相を呈している。13年は、前田さんに代わる若きエースが誕生するのだろうか。注目の次世代エース候補を紹介する。(毎日新聞デジタル)
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「第4回AKB48選抜総選挙」の1~16位の「選抜メンバー」の中で、10代のメンバー(13年1月1日時点)は渡辺さん(2位)と松井さん(9位)の2人と意外に少なく、17~32位の「アンダーガールズ」を見ても山本さん(18位)や島崎さん(23位)ら5人だけだ。選抜メンバーの平均年齢(13年1月1日時点)は21.125歳と20代のメンバーが多い中で、渡辺さんは前回5位から2位に躍進を遂げたこともあり、次世代エースの最右翼と目されている。
“まゆゆ”の愛称で知られる渡辺さんは06年に12歳で「第三期AKB48追加メンバーオーディション」に合格。18歳の若さながら芸歴6年で、昨年は「さばドル」(テレビ東京)でドラマ初主演やソロデビューを果たすなど経験は豊富だ。さらに、派生ユニット「渡り廊下走り隊7」でセンターを務めた実績もあり、昨年の総選挙では「来年も総選挙があるなら、私は1位を取りたい。新しい時代を受け継いでいける人になりたい」と発言するなど次世代エースとしての自覚をしっかり持っているようで、エースの座に最も近い存在といえるだろう。
渡辺さんのライバルになりそうなのが、SKE48とAKB48を兼任する松井さんだ。松井さんは08年に11歳の若さでSKE48に加入し、松井玲奈さん(21)と共に“ダブル松井”としてグループを引っ張ってきた実績がある。さらに、10枚目のシングル「大声ダイヤモンド」(08年)で前田さん、28枚目のシングル「UZA」(12年)で大島さんとダブルセンターを務めたことから、センターの経験は渡辺さんを一歩リードしている。現在15歳とまだまだ若く、今年の活躍次第では渡辺さんを猛追することも考えられる。
“ぱるる”の愛称で知られる島崎さんは昨年、最も躍進を遂げたメンバーといえるだろう。総選挙では前回の圏外から23位に大幅に順位を伸ばし、じゃんけん大会で優勝して“次世代エース候補”に急浮上した。テレビの露出も増え、その言動などから愛情を込めて付けられた“ぽんこつ”というもう一つの愛称も浸透しつつある。また、AKB48の初となる東京ドーム(東京都文京区)の公演では、前田さんに「私が言うのも何だけど、MCが下手だよね。いいこと言ってるのに感情が入っていない」と辛口のエールを送られるなど、前エースにとっても気になる存在のようだ。昨年の勢いを持続しながら、スターダムにのし上がることが期待されるのに加え、ぽんこつ脱却を目指すのか、ぽんこつのまま独自路線で飛躍を遂げるのかにも注目が集まる。
大阪・難波を拠点に活動するNMB48のエースである山本さんとそのライバルの渡辺美優紀さん(19)も見逃せない存在だ。昨年の総選挙では山本さんが18位、渡辺さんが19位と山本さんに軍配が上がったが、CM出演をかけて話題となった2人のファースト写真集の売り上げ対決では、渡辺さんが勝利。ライバル同士がしのぎを削りながらレベルアップしていけば、ほかの次世代エース候補を脅かす存在になるかもしれない。
ほかにも、福岡・博多を拠点に活動する「HKT48」に目を向けると、26枚目のシングル「真夏のSounds good !」で選抜入りした兒玉遥さん(16)のほか、昨年の総選挙で47位に入った宮脇咲良さん(14)、“大型新人”とも呼ばれる田島芽瑠さん(12)ら将来が有望視される若手が多数、名を連ねている。AKB48には総選挙という“下克上”を実現するシステムが用意されていることもあり、今年、急浮上するメンバーがいてもおかしくない。
次世代センターをめぐる戦いは実績を考えると、渡辺さんと松井さんの一騎打ちとなりそうだが、勢いに乗る島崎さんや姉妹グループの若手が台頭してくれば、勢力図が大きく変わるかもしれない。今年も白熱する少女たちの戦いから目が離せない。