ニッチェ:意識するのは「ハリセンボン」 いまさら聞けないネクストブレーク芸人

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 最近テレビやCMでよく見かけるけれど、実はあんまりよく知らない……そんな、いまさら聞けない“ネクストブレーク芸人”の基礎知識を、本人たちの言葉を交えて紹介する。演技派・歌うま芸人として知られ、ネタ番組のほか、子ども番組「ピラメキーノ」(テレビ東京系)やバラエティー番組、CMにも出演している女性お笑いコンビ「ニッチェ」に、芸人になったきっかけから、最近の活躍、プライベートまでインタビューした。(毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

 ◇「ニッチェ」とは?

 江上敬子さん(えのうえ・けいこ。84年9月17日生まれ、島根県出身のAB型。趣味・特技は料理、料理マンガ集め、歌、イラスト、卓球、すぐ泣ける)と、近藤くみこさん(83年1月4日生まれ、三重県出身のO型。趣味・特技は映画・ドラマ鑑賞、サッカー観戦、歌、ピアノ、書道)のお笑いコンビ。マセキ芸能社所属。05年から活動を開始し、一昨年は平成23年度「NHK新人演芸大賞」を受賞、第2回お笑いハーベスト大賞で優勝。結成7年で満を持して昨年6月、初単独ライブを行い、その模様を収録した初ライブDVD「ポテトサラダ」を同10月に発売した。

 ◇コンビ名の由来

 コンビ名は、2人が通っていた専門学校「日本映画学校」の略称「日映(にちえい)」から「ニッチェ」となった。江上さんは「オシャレに聞こえます? (ドイツの哲学者の)ニーチェから取ったんじゃないかと言われたり、建設用語のニッチ(スキマ)からじゃないかと言われたりするんですけれど……」と苦笑。近藤さんは「私たち、オシャレじゃないんですよ(笑い)。本当に適当につけた」と説明した。

 ◇もともとは役者志望

 当初は2人とも役者を目指していたが、専門学校の授業で2カ月間漫才をやることになり、コンビを組む。江上さんは「ネタを作る方法、人前でしゃべる勉強をする授業で『なんで役者の学校なのに漫才やらなきゃいけないんだ』と思った」というが、「やるんだったらちゃんとやってくれそうな人がいい」と、クラスで唯一関西弁を話していた近藤さんに声をかけた。2人のコンビは授業で教師に評価され、マセキ芸能社のプロと舞台に出たのがきっかけでお笑い芸人への道を意識するようになる。

 当時について近藤さんは「役者しかやりたくないと思ってたわけじゃなくて、面白いことができればいいなと思っていた」といい、江上さんも「面白い子がいたら(事務所の人が芸人に)誘ったりすると聞いて『誘われるかもね~』と自信を持ってたら声をかけてもらえなかった。負けず嫌いの気持ちが出た」と漫才にのめりこんだが、役者への夢を断ち切ったというわけではなかった。最終的に決め手となったのは恩師の「芸人になった方がいい。芸人を辞めて後悔はないの?」という言葉だったという。

 しかし当初は、何度も辞めようと思ったという。江上さんは「『だってもともと役者やりたくて出てきたんじゃん。樹木希林さんみたいになりたかったのに』って言い訳にしている時期があった。嫌だったら辞めればいいやと思っていた。でも、始めたら私たちの根本にある真面目さや負けず嫌いが出た。2、3年前まではよく(辞めたいと)言っていた。今はきれいになくなりました」という。

 ◇ネタの作り方

 江上さんと近藤さんの共同作業。とにかく話し合って内容が固まった状態で、文章を書くのが得意な江上さんが書き上げる。最初は江上さんが書いて、手を入れる方法だったが「2年目で壁にぶち当たって『ネタ書けません』となった。だったら一緒に書くかとなった」という。今後やってみたいネタは、昔マンガ家にもあこがれていたという江上さんのフリップネタ。「(絵を描く)お仕事をいただけたら、頑張ってやると言ってます」とアピールする江上さんだが、近藤さんは「フリップネタなんて見たくない。こっち(江上さんの顔)の方が面白いもん」と反論している。

 ◇ファン層は3世代

 熱狂的なファンは母親と娘など、世代を超えている。圧倒的に女性が多く、子ども、お母さん、おばあちゃんの3世代というパターンもある。ちょっと懐かしいというネタが、40~50代に支持されているという。人気の実感について、江上さんは「一日に何回か気づいてもらえると『昔とは違うな』と思える。急いで電車に乗ろうとしたときに、小学生のサッカー部の男の子たちに囲まれて『絶対ニッチェだよ!絶対ニッチェだよ!!』って言われた(笑い)」と明かした。

 ◇意識する芸人は「ハリセンボン」

 ライバルは特にいないというが、意識している芸人は「ハリセンボンさんがテレビに出てきたときにははっとした」と江上さん。「コンビでネタをちゃんとできるお笑い芸人になれば、(女性は少ないので)需要はある。そこで戦っていくのが近道なんじゃないかと思って頑張っていたときに、ハリセンボンさんがM-1とかに出てきた。ライバルというのはおこがましいほど脅威だった」といい、「初めて共演したときは、終わった後に2日間くらい死にそうになりました。すごすぎると思った」と振り返った。

 ◇最近の悩みは……

 2人とも「彼氏がほしい!」。江上さんは「私たちお笑いに関してはすごく前向きなんですけれど、女芸人が一番モテないと思う。本当です。こっちはいいなって思っても、相手がいいと思ってくれない」と熱弁。近藤さんも「私たちもそろそろ結婚できるのかなって思う……」と切実に明かした。

 ◇やってみたい仕事は旅番組

 やりたい仕事は「ヤングジャンプの表紙! グラビア(笑い)」(近藤さん)、「CDの話もちょろちょろ来たことがある」(江上さん)とそれぞれだが、2人ともやりたいと思っているのは食べ物などを紹介する旅番組。江上さんは「おばさんやおじさんと仲良くできる番組。(お笑い芸人の)宮川大輔さんの『満点☆青空レストラン』(日本テレビ系)がすごく好きで、欠かさず見ている。あんな番組をできたら……」と希望している。

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