SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第4話 深海の冒険!迫りくる海底の脅威
11月24日(日)放送分
人気グループ「TOKIO」の長瀬智也さんが、現実に飛び出したマンガのキャラクターを演じて話題のドラマ「泣くな、はらちゃん」(日本テレビ系・毎週土曜午後9時放送)。長瀬さん演じる「はらちゃん」のコミカルなヒーローぶりとともに注目を集めているのが、麻生久美子さん演じる「越前さん」が描くマンガだ。実際に執筆を担当しているマンガ家のビブオさんも、放送がスタートしてツイッターのフォロワー数が激増するなど一躍“時の人”になっている。(堀池沙知子/毎日新聞デジタル)
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ドラマは、かまぼこ工場で働く地味な女性「越前さん」(麻生さん)が日記代わりに日々の恨みつらみをこめて、ノートに描くマンガ「泣くな、はらちゃん」の主人公「はらちゃん」(長瀬さん)が、マンガの世界を飛び出して、恋する越前さんのために大奮闘するというラブストーリーだ。
「Q10」(10年)「妖怪人間ベム」(11年)なども手がけてきた同ドラマの河野英裕プロデューサーによると「(Q10も妖怪人間ベムも)人間でないものから人間を見て、人間って何だろうということを考えてきた。今回もそれらを踏襲しながらも違うアプローチで、ラブストーリーを軸に人間について描きたかった」ということからマンガから飛び出す“異色の”ヒーローが生まれたという。
一方、ビブオさんは投稿作品「ビビトトレーハ氏の招待」でマンガ誌「IKKI」(小学館)の新人賞を受賞し、同誌の09年8月号に掲載されデビューを果たし、10月号から「シャンハイチャーリー」を連載し、翌年には単行本化もされた。
そんな2人が出会ったのは、以前同誌で連載されたマンガ「セクシーボイスアンドロボ」を日本テレビでドラマ化したという縁があった河野プロデューサーが編集部に声をかけたのがきっかけだった。ビブオさんが12年秋に小学館から「ドラマに登場するマンガを描くマンガ家を探している」という電話を受け取った時点で、決まっていたのは大体のあらすじと長瀬さんが主演ということ、そしてマンガの世界の住人がたむろする居酒屋のシーンだったといい、「居酒屋のシーンを絵にしてくれ」という依頼を受けたビブオさんはサンプルを何枚か描いて送り、選考の結果採用されることになった。実は、ビブオさんのほかにも同誌編集部が声を掛けたマンガ家は何人かいたというが、「上手だけれど、素人っぽく描ける人。優しい精緻(せいち)なタッチでドラマの世界観に合う絵が描ける人」(河野プロデューサー)ということからビブオさんの採用が決まった。
◇「素人だけれど下手ではない」絵
「はらちゃん」で使用するマンガを描くにあたり、普段描く絵のタッチとは「もちろん変えています」というビブオさん。「発注された通りに描くことは当然」と前置きし「素人の人が描いていそうだけれど、下手ではない。かっちり決まった絵より適度に抜けた感じのバランス、丸くするように意識している」と話す。また、劇中で越前さんがお手本にしているというプロのマンガ家・矢東薫子のマンガもビブオさんが手掛けているが「プロの絵というのが大前提なんですが、越前さん(のマンガ)の元の絵ということでラフさを残しつつ、商品としても成立するような絵」と話し、違いを意識しながら細部まで心を砕いている。
劇中のマンガを描く手順は、台本をもとに監督の指示も受けながらネーム(下書き)を書き、許可が出たら本番用を描くという流れで、マンガの枚数は現時点で第1話が一番多く10ページほど、各話平均して4ページ程度。ちなみに劇中で越前さんがマンガを描いている大学ノートは、直にノートに描いたものではなく、原稿をノートに出力して使用しているという。越前さんがマンガを描くシーンも、マンガを描く専門のスタッフの手元を撮影している。
◇「はらちゃん」効果でフォロワー激増
「はらちゃん」のマンガを描くようになって一番変わったことは「ツイッターのフォロワーが激増したこと」と語るビブオさん。第1話の放送後の一晩でフォロワーが一気に約1000人激増したといい、ビブオさんは「テレビの影響の大きさ」を肌で感じたという。それでもビブオさんはフォロワーからの投稿にもまめに答えており「結構楽しい、(ツイッターは)気分転換になっている」と笑顔を見せる。また、ビブオさんの単行本の売り上げも上昇しているという。
「それまで新人としてできることをどんどんやっていくという“足し算”することを考えていかないと通用しなかった」というビブオさんだが、今回のドラマでは「『下手に描いてください』という“引き算”を要求される」と新たな難題に直面しているという。しかし、「でもそれは必要なこと。この仕事で“引き算”の感覚がつかめれば、これからマンガ家としてやっていく上で、自分にとって得なことにはなるのでは」と自分への財産になることを感じているようだ。
河野プロデューサーによると、ドラマの今後の展開は、「ハッピーエンド」。「はらちゃんと越前さんがどのような形で“両思い”になるのか、そこを楽しんでもらえたら」と話す。一方のビブオさんも「ドラマの仕事が終わったら連載がほしい」と率直な気持ちを明かす。ドラマと同様のハッピーな展開になるのかビブオさんの今後にも注目だ。
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