ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、思いがけず女子高の講師となった19歳の天才学者と、個性的な生徒たちとの学園生活を描いた竹葉久美子さんのマンガ「やさしいセカイのつくりかた」です。アスキー・メディアワークス電撃大王編集部の高島宏暢さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
「やさしいセカイのつくりかた(やさセカ)」は、研究の打ち切りにあった19歳の天才学者・悠が送る女子高の講師生活と、彼と同世代の教え子たちを描いたお話です。そんないわゆる学園ラブコメテイストな本作の見どころは二つ。
まずひとつ目は、生き生きとしたキャラ。先生の繊細かつ高い画力で描かれる葵やハルカといった女子高生たちの所作や表情などが醸し出す圧倒的な可愛らしさは魅力的です。先生いわく「勝手にキャラが動く」らしいので、文字通り作品内で生きているのかもしれませんね。
もう1つは、酸いも甘いも描いている物語。「持てる者」「持たざる者」、さまざまな境遇の登場人物たちがこの物語には出てきますが、みんな生きていく上でそれぞれの立場での悩みや葛藤(かっとう)を抱えながら、でも向かい合ったり逃げ出したりもしながら一生懸命に生きています。そんなきれいなだけでなく、どす黒い面もきちんと描いている部分に共感やリアリティーを感じてもらい、本作は応援してもらっているように感じます。
−−作品が生まれたきっかけは?
「電撃大王」のオリジナル増刊誌「電撃大王ジェネシス」を立ち上げるにあたって、お付き合いがあった竹葉先生にお声掛けをいたしました。ちょうどいいタイミングだったようで、先生から「物理数学」「天才学者」といったキーワードが入った学園モノのプロットをいただいて、それが現在の「やさセカ」になりました。
当初は「読者的に難しいかも」と思いましたが、竹葉先生が元から理系の知識に詳しいわけではなく、周りの方を見ていて理系の人間に興味を持ったという話を聞いて、逆にそれなら読者視点でうまく噛み砕いて描いてもらえるかもと考え、連載を始めてもらいました。
−−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれど当時は大変だった……、もしくはクスッとしたナイショのエピソードを教えてください。
初連載ですので、執筆ペースをつかんでもらうのが大変でした。季刊から隔月刊にペースアップした時は特に。たまに電撃大王でも番外編を描いてもらったりしていたので余計にですね(涙)。先生的には大変だったかもしれませんが、担当編集的には番外編はどれも作品の違った一面を見せられたと手応えがありましたので、また機会があったらぜひ描いてもらいたいものです。
−−今後の展開は?
この間、先生から今後のお話を聞いた感じですと、物語はちょうど折り返し地点に来たようです。でも、まだまだひと波乱、二波乱ありそうですので、悠、葵、ハルカのそれぞれの行動や決断がどのように彼らの夢や人生に影響していくか、そして多感な時期を過ごしていくのか楽しみにしてください。
−−読者へ一言お願いします。
電撃大王に移籍しての連載再開ということで、ある意味2期のスタートです。ここからは、これまで以上に展開も加速しますし、可能な限り月刊ペースで物語をお届けしていきますので、ぜひ雑誌の連載を毎月追いかけていただき、作品世界にどっぷりつかってもらえるとうれしいですね。
アスキー・メディアワークス 電撃大王編集部 高島宏暢
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