SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第8話 弱虫で泣き虫!人魚姫しらほし
12月22日(日)放送分
話題の書籍の魅力を担当編集者が語る「ブック質問状」。今回は、アイドルグループ「NEWS」の加藤シゲアキさんの小説第2弾「閃光スクランブル」です。角川書店編集局の担当編集者に作品の魅力を聞きました。
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−−作品の魅力は?
現役アイドルが描く芸能界のお話といえばスキャンダラスに聞こえますが、アイドルの亜希子とパパラッチの巧という敵対関係にあるはずの2人の主人公が、偶然の出会いと思いがけない逃避行をへて、互いの心の傷に気付き、新たな一歩を踏み出すという愛と心の再生の物語。
デビュー作「ピンクとグレー」でも評価された、孤独やいら立ちなど心理描写のうまさに加え、今作ではミステリー要素やアクションシーンもふんだんに用意され、エンターテインメント小説として楽しんでいただける作品になりました。エンタメ小説界の人気作家、書店員の皆さんからもたくさんの推薦文をいただいています。
−−作品が生まれたきっかけは?
もともと加藤さんご自身に、渋谷と芸能界を舞台にした作品を書きたいという構想があり、そこに登場人物を増やしたり、趣味のカメラを生かしたりと要素が加わっていきました。打ち合わせの席で2作目の話題が出た際に「『閃光スクランブル』というタイトルで書こうと思っている」とおっしゃっていて、とてもキャッチーだったので、「ぜひそれで書いてください!」とお願いしました。
−−加藤さんの小説家の才能に注目したきっかけは?
加藤さんが以前、携帯サイトで書かれていた連載エッセーが大変興味深いもので、文才があるのではと数年前から注目していました。初めて「ピンクとグレー」の原稿に目を通したときに書きたいという内側から強いエネルギーを感じたこと、1作で終わらせるつもりはないというご本人の固い意思を確認したこと、この2点が作家・加藤シゲアキ誕生のきっかけだったと思います。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮したこと、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
加藤さんの吸収力に驚愕(きょうがく)しています。作家デビューから1年の間に、読書量が一気に増えたことが大きく作用しているように感じます。「閃光スクランブル」は初稿を一読して腕を上げたな……という強烈な印象を持ちました。自身の立ち位置と見せ方にブレがないのはさすが。伸びしろも含めて非常に期待値の高い作家さんです。長時間にわたる校正作業や書店訪問など作家としての地道な活動も、楽しみながらなんでもこなしてくださるのでありがたいです。ほかの作家さんと同じように真剣に作品と格闘している加藤さんの姿を、どうしたら本読みの皆さんに伝えられるかと日々考えを巡らせています。
−−今後の展開は?
本作は渋谷サーガの第2弾という位置づけで、3作目も渋谷と芸能界をテーマにした作品を書かれるつもりだそうです。アイドルとしてのお仕事もお忙しいので刊行時期は未定ですが、加藤さんの新作を望む声もたくさん届いていますので、芸能活動と並行して執筆していただきたいと熱くアピールしている最中です。
−−最後に読者へ一言お願いします。
1年ぶりの新作は、冒頭から読者をぐいぐいと引き込むスピーディーな展開が見もの。男女2人の主人公が背負うそれぞれの物語軸が、渋谷を象徴するスクランブル交差点のように交じり合うさまも美しく描かれます。亜希子視点と巧視点どちらから読むかで違った味わいが得られるのもこの作品の面白いところ。ジャニーズ初の作家、NEWS・加藤シゲアキがアイドルという職業を逆手に取って芸能界を描くしたたかさと、繊細かつ大胆に“存在しそう”な女性アイドルを作り込んだストーリーにもご注目ください! 箔(はく)押しでカメラのフラッシュを表現したカバーをはじめ、装丁にも趣向を凝らしました。ぜひ手にとっていただけるとうれしいです。
角川書店編集局
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2024年12月23日 08:00時点
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