ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
ゲームの世界を舞台にしたディズニーアニメの最新作「シュガー・ラッシュ」(リッチ・ムーア監督)が23日に公開される。ヒーローを目指す“悪役キャラ”の冒険を描き、「アニメーション界のアカデミー賞」と呼ばれるアニー賞で作品賞など5冠を獲得した話題作だ。
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30周年を迎えるアーケードゲーム「フィックス・イット・フェリックス」でビルを破壊する“悪役”を務めるラルフは、嫌われ続ける毎日に嫌気が差し、自分のゲームを飛び出してしまう。ひょんなことからヒーローの証しとなるゴールドメダルを手に入れたラルフは、お菓子の国で繰り広げられるレースゲーム「シュガー・ラッシュ」で謎の少女、ヴァネロペと出会う。生意気な態度でラルフからゴールドメダルを奪うヴァネロペだったが、大きな秘密を抱えていた……。
映画は、幅広い年代に親しまれてきたテレビゲームの裏側で、キャラクターたちにも知られざる“日常”があったというコンセプトだ。ラルフら“悪役”たちが集会を開いて日ごろのうっぷんを晴らしたり、“悪役”のラルフがゲームからいなくなったことによって、“主人公”のフェリックスも存在意義を失ったりと、現代社会にも通じる寓話的な要素も盛り込まれている。
人気ゲームのキャラクターが数多く“カメオ出演”するのもポイント。おもちゃではなくゲームとともに育った世代にとっては、「トイ・ストーリー」の人形たちではなく、今作に登場するゲームキャラの方に親しみがわくだろう。さまざまな場面にいろんなゲームのキャラクターがチョイ役で登場するので、ゲーマーなら目を皿のようにして探すのも楽しいはず。悪役たちの集会には、「ストリートファイター2」のザンギエフやベガ、「スーパーマリオ」のクッパらゲームファンならおなじみの面々が登場。ザンギエフが肩を落としている様子に、ジャンプキックだけでお手軽に倒していたゲーム内での所業を反省する人も少なくないのでは。
日本語吹き替え版のキャストは、ラルフ役をベテラン声優の山寺宏一さんが務めているほか、ヴァネロペ役は13歳ながら「鋼の錬金術師」「アイカツ!」など数々のアニメや吹き替えで声優を務める諸星すみれさんが担当。ヴァネロペと競うレーサー役で友近さんや「森三中」といった“芸人勢”が起用されているが、違和感なく楽しめた。エンディング曲にはAKB48の「Sugar Rush」が採用されている。
なお、第85回アカデミー賞の短編アニメ賞を受賞した「紙ひこうき」(ジョン・カース監督)が同時上映される。不思議な紙飛行機が結び付ける出会いを白黒アニメーションで丁寧に描いた大人向けのラブストーリーで、こちらも注目したい。23日から全国で公開される。(立山夏行/毎日新聞デジタル)
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