木村文乃:溝端淳平とクールな結婚観語る WOWOWドラマ「ソドムの林檎」対談

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 女優の寺島しのぶさんが主演するWOWOWの連続ドラマW「ソドムの林檎~ロトを殺した娘たち」で、事件の被告となる寺島さん演じる魔性の女・恵を取材対象者として追う編集者役の木村文乃さんと同じく恵を追うスポーツ紙記者役の溝端淳平さんが、それぞれの演技の苦労や、作品にちなんで結婚観についても語った。(毎日新聞デジタル)

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 ドラマは、編集者の万里(木村さん)が、結婚詐欺連続不審死事件の被告人の宮島恵(寺島さん)と出会い、裁判を傍聴する中で恵にのめり込んでいく姿を描くサスペンス。自殺した自身の元恋人が自分と別れた後に恵と婚約していたと知った万里は、恵の生まれ故郷の島に赴き、彼女が“島一番の美少女”だったという過去を知り、運命がゆがんでいった原因を探る……という物語。映画「ヴァイブレータ」(03年)で寺島さんを主演に起用し、数々の映画賞を受賞した廣木隆一監督がメガホンをとった。

 木村さんが演じた万里は、みにくさゆえに愛されないと思い、美しい顔へと変貌した女性という設定で、木村さんは「寺島さんと一対一の対話シーンがあって、今までにない重さのある役で絶句しました。私にできるのかなと思った」と不安だったことを明かし、「万里が理解できなかった。(万里を演じる)仕事ができたと感じて帰った日はなかった……」と、苦労を語った。

 一方の溝端さんは「この題材で廣木監督で寺島さん主演という時点で役を聞く前に『ぜひやらせてください!』となった」というが、母親が自分を産んだことで亡くなり、父親とうまくやれずに育ったスポーツ紙の記者役で、「(役作りでできたのは)新聞記事を読むくらいで、想像と空想ですよね。役作りが完璧にできないうちに始まっちゃった」と苦笑した。「すごい生い立ちなんだけれど直接出す部分がない。万里との会話で人間性を出せればと、挑戦したんですが難しかった」と振り返った。

 寺島さんが演じた恵は、外見の美しさゆえに偽りの愛を受け、それを憎んで自らの顔をみにくく整形した女性。溝端さんは「裁判で寺島さんが名前を言っただけのシーンで、鳥肌が立つくらい恐ろしかった。声が少女のようでいて、すごく深い闇があるようで……」とその演技に魅入られたという。一番近くでその演技を見た木村さんは「寺島さんは、せりふの一つでも納得できないところは監督と話し合っていました。それを見ていると食らいついていきたいと思った」といい、「寺島さんの役作りを見てほしい。しぐさや足の開き方とか口の動かし方、一つ一つに性格が見えるんですよ。それだけでもすごく面白いと思うんです」と力を込める。

 劇中で、恵がさまざまな男性と婚約することにちなんで、結婚相手に求めることを聞くと、木村さんは「恋愛感情じゃなく、人間として好きな人……?」と首をかしげながら答え、「あんまり答えになっていないですね」とさほど関心がない様子。溝端さんは、作品の影響で女性観が変わってしまったといい、「(結婚相手は)お互いに妥協点を決められる相手。めちゃめちゃ好きにならない、自分を見失わない程度に好き、くらいがいい」とクールな結婚観を語った。木村さんは「そういう男の人が浮気するんだよ」と注意し、「男女のドロドロとした話なのかと思われますが、これは単純に女の話」とドラマを評した。溝端さんは「女性を生き物としてとらえる感じで、怖さも弱さも見られると思う。男性は勉強になるんじゃないかな」と苦笑いしながらアピールした。

 ドラマはWOWOWプライムで毎週土曜午後10時に放送中。

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