1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、「ジャンプ改」(集英社)で連載、男子大学生の恋を描いた渡辺ペコさんのマンガ「ボーダー」です。
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趣味の山登りを終えて大学で就職セミナーの張り紙を見ていた大学3年生の清田は、知り合いの女子学生・桜井に声をかけられ、飲みに出かける。2人は意気投合し、清田が桜井から「今度キャンプに行こう」と誘われた矢先、桜井のバッグがひったくられ、そのピンチを見知らぬ美しい女性が救ってくれた。それ以来、その女性のことが頭から離れない清田。ある日偶然、その女性の姿を見かけ、声をかける。
大学生の清田は、友人桜井のピンチを救ってくれた“きれいなお姉さん”が気になって仕方がない。でも彼女には一筋縄ではいかない秘密があって……。
マンガファン待望の渡辺ペコ先生の最新作です。テーマはずばり「愛と性」ということになるでしょうか。−−と書くと堅苦しく思われてしまうかもしれませんが、心配ご無用。普通の大学生の普通の恋心を、ペコ先生ならではのリアルを見てきたかのような繊細かつ鋭い筆致で描く、目が離せない人間ドラマになっております。
人を好きになることに理由はない−−この物語の主人公である大学生の清田くんも、そんなふうに曖昧な恋のスタートを切るはずでした。
しかし、相手の属性、形などへの思い込み、性欲など、自分の中にうずまくさまざまな“好き”の理由に向き合わざるを得なくなる。
恋の本質に直面し、愛の中で恋愛がもっとも複雑であると痛感させられる作品です。その先にあるものは何なのか……担当としてもドキドキしながら見守っています。
趣味は山登りで就職活動を始めたばかりの普通の男子大学生が、多様な価値観に触れ、どのように消化し、さまざまな“ボーダー”(境界線)を一歩ずつ越えていくのか、ぜひご注目ください!!
男と女、友人と恋人、学生と社会人、その境界を越えるか越えないか、ボーダーというタイトルはうまいタイトルだな、と思いながら読了。最後の重大な秘密の部分で驚くも、もっと驚いたのは改めてもう一度読んだ時。「あの秘密があってこんなに仲良くお話しできるのか!?」とか、「いくらなんでもこんなにもてるものなのか!?」など改めて読んだ時の方が個人的には驚きが。本作はぜひ最後まで読んだ後、改めて読むことをオススメ! きっと新たな気づきがありますよ! しかし清田の恋はどこへ行くのでしょうね……。
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