ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
美内すずえさんの名作少女マンガ「ガラスの仮面」(白泉社)を初めて劇場版アニメ化した「ガラスの仮面ですが THE MOVIE 女スパイの恋! 紫のバラは危険な香り!?」(谷東監督)が、22日に公開された。「ガラスの仮面ですが」は、連載36年以上、コミックスの累計発行部数5000万部を誇る少女マンガの長寿作「ガラスの仮面」を基にしたギャグアニメ。主人公で天才的な演技力を持つ少女・北島マヤやライバルの姫川亜弓らおなじみの登場人物が、「ガラスの仮面」からは想像もつかないシュールなギャグを繰り広げる。「ガラスの仮面」はテレビアニメやドラマ、舞台化されてきたが、意外にも劇場版アニメは今回が初めてということで話題だ。人気ロックバンド「THE ALFEE」の高見沢俊彦さんが、主題歌の提供と重要な役どころの敵のボス役として声優に初挑戦している。
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「ガラスの仮面ですが」で月影千草は不朽の演劇作品「紅天女」の上演権を持つ元女優ではなく、実は巨悪と戦う伝説の女スパイ、コードネーム“ザ・ムーン”。某国の内戦を秘密裏に終結へと導き、麻薬組織を壊滅させるなど、人知れず世界の秩序を守っていた。ある日、彼女を邪魔者と考えた悪の組織に月影は誘拐されてしまう。女スパイ“ザ・ムーン”の後継者として救出に向かう北島マヤと姫川亜弓。2人は速水真澄、桜小路君、源造の協力を得て世界中を飛び回り活躍するが……という展開。
性別や世代を問わず愛されている「ガラスの仮面」が劇場版アニメは初めてというのが意外だった。しかも今作はギャグアニメにもかかわらず原作者公認なのには驚かされる。内容的にもかなりパンチが効いており、製作の裏話ノリの展開で圧倒されたと思ったら、続く「2分でわかる『ガラスの仮面』」で完全に心をつかまれる。原作の世界観が基本ながら、ゆるくて奇抜な設定やロボットとなった紅天女など、“まさか”の展開に心を奪われる。原作へのオマージュや有名作品のパロディーなど、これでもかと盛り込まれたギャグと、テンポよく進むストーリーの絶妙なバランスに、笑わされながらも思わずうならされる。凝縮された笑いの数々は、原作ファンならずとも大笑い間違いなし。ギャグ満載ながら、高見沢さんのロック全開の主題歌が思った以上にマッチしているのにも驚かされた。ユナイテッド・シネマ豊洲(東京都江東区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者、ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行きなんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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