ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
公開中の映画「風立ちぬ」をもって長編映画の製作から引退することを明らかにしていたスタジオジブリの宮崎駿監督の引退会見が6日、東京都内で行われた。出席者は宮崎監督のほか、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーと星野康二社長。会見の一問一答は以下の通り。(毎日新聞デジタル)
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−−(ロシアのメディア)ロシアの(映像作家の)ユーリ・ノルシュテインからどんな影響を受けた?
宮崎監督:ノルシュテインは友人。負けてたまるかという相手。彼はずっと「外套(がいとう)」(作品名)を作っています。ああいう生き方も一つの生き方だと思う。今日、この会見に高畑監督も誘ったら「冗談じゃない」って顔されて断られまして……。彼はずっとやる気ですね。
−−最も思い入れがある作品は? すべての作品に込めたメッセージは?
宮崎監督:一番トゲのように残っているのは「ハウルの動く城」です。ゲームの世界をドラマにしようとした結果、格闘しました。スタートが間違っていたと思うが、自分が立てた企画だから仕方がない。自分は児童文学の多くの作品の影響を受けてこの世界に入った。基本的に「この世は生きるに値するんだ」ということを伝えることが自分たちの仕事の根幹になければと思っていました。それは変わっていない。
−−(伊メディア)イタリアを舞台にした作品が多いが、イタリアが好きなのか? ジブリ美術館の館長をするのはどうか?
宮崎監督:イタリアは好きです。まとまってないところも含めて好きです。友人も多いし、食べ物はおいしいし女性はきれいだし、ちょっとおっかないところもあるけれど。半藤さんのところに10年行けば、たどり着けるのか……そこまで仕事が続けられればいいなあという話で。それ以上望むのはちょっと。半藤さんがあと何年頑張ってくださるのか分かりませんから、半藤さんは僕より10年前を歩いているので。半藤さんはずっと歩いてほしい。
ジブリ美術館は展示品が色あせてきたのでそれを修復したい。(展示品は)自分が筆やペンで書いたりしなくてはいけないものなので。それは時間ができたらやりたい、ずっとやらなければと思ってきたことなのでそれをやりたいんです。美術館の展示品は毎日掃除してきちんとしているはずなのに、いつの間にか色あせてしまう。その部屋に入ったときに全体がくすんで見えるんです。くすんで見えるところに1カ所、キラキラさせると、ぱっとよみがえって子供たちが群がることが分かったんです。ずっと手を掛け続けなければいけないというのは確かなので、それをやりたいと思っています。
−−短編に関わる?
宮崎監督:この「公式引退の辞」に書いたように僕は自由。やってもやらなくても自由。前からやりたかったことがあるのでそれをとりあえずやろうと。それはアニメーションではありません。
−−(鈴木Pへ)今後のジブリは?
鈴木P:これからは、「かぐや姫の物語」のあと来年の企画に関わっている。僕も年齢が65歳。このじじいがどれだけ関われるか。今後のジブリの問題は今いる人たちの問題でもある。その人たちがどう考えるか、そのことによって決まるんだと僕はそう思っている。
宮崎監督:ジブリの今後についてはやっと上の重しがなくなるから、「こういうものをやらせろ」っていう声が若いスタッフから鈴木さんに届くのを願っている。それがないとだめですよね。鈴木さんがいくら何かをやっても。僕らが30歳のときにも40歳のときにもやっていいんだったら何でもやるぞっていう覚悟でいろいろな企画を考えていきましたけれど、それを持っているかどうかにかかっています。鈴木さんは門前払いをする人ではない。いろいろな人間の意欲や希望や能力にかかっているんだと思います。
−−やりたかったことややらずに終わった長編作品は?
宮崎監督:山ほどある。やってはいけない理由があったからやらなかった。今ここで述べようもない。そこまでの形にはなっていないものばかり。それは人に語るものではないので、ご勘弁ください。
−−今後やりたいことを具体的に。何か発信していきたい?
宮崎監督:やりたいことがあるんだけれどやれなかったらみっともないから言いません。僕は文化人にはなりたくない。町工場のおやじでありたい。だから何かを発信しようとは考えない。文化人ではありません。
−−休息を優先?
宮崎監督:僕の休息は他人から見たらそう見えない休息。僕の場合は仕事を好き勝手やっていても休息になることがある。夢は東山道を歩いて京都に行ければって時々夢見るけれど、実現不可能だと思います。
−−東日本大震災や原発事故で感じたことが最新作を作るにあたって与えた影響は?
宮崎監督:「風立ちぬ」の構想は震災や原発には影響されていない。構想は前からあったものです。どこかで書きましたが、「時代に追いつかれて追い抜かれた」という感じを受けました。
−−「時代に追いつかれて追い抜かれた」というのは引退に関係ある?
宮崎監督:関係ありません。アニメーションの監督って何をやっているか分からないかもしれませんが、みんなそれぞれ仕事のやり方は違います。僕はアニメ映画出身なので描かなければいけないんです。描かないと表現できないものなので、メガネを外してこうやって描かなければいけない。どんなに体調を整えて摂生していても、集中していく時間が年々減っていくことは確実なんです。例えば「崖の上のポニョ」のときに比べると、僕は机を離れるのが30分早くなっています。これが次がさらに1時間早くなるんだろうと。その物理的な加齢によって発生する問題はどうすることもできないし、いらだっても仕方がないんですね。違うやり方はできない。できません。僕は僕のやり方で一代を貫くしかないと思いますので、長編アニメは無理だと判断したんです。
−−日本アニメの世界をどう見ている?
宮崎監督:申し訳ないが、私が仕事をするということはテレビや映画を一切見ないという生活をすることです。ラジオを朝に聞いて新聞をぱらぱらっと見るくらい。あとは全く見ていない。ジャパニメーションがどこにあるかすらも分からない。本当に分からないんです。予断で話すわけにはいかないので発言権がないと思う。私の年齢でデスクワークをすると分かると思いますが、気を散らすことは一切できないんです。参考試写でスタジオの映写室で何本か映画もやってもらうんですが、たいてい途中で出てきちゃう。仕事をやった方がいいと思って。そんな人間なんで、今が潮だなと思う。
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