女優の綾瀬はるかさん主演のNHK大河ドラマ「八重の桜」は、初回から9月29日放送の第39話までの期間平均視聴率は14.9%(関東地区)と、“20%超え当たり前”とも言われる大河ドラマとしては少し寂しい数字となっている。一方で、NHKには、舞台となった東日本大震災の被災地・福島からはドラマを支持する声が多数寄せられているといい、内藤愼介エグゼクティブプロデューサー(CP)は、「目先の数字もあるが、それだけがテレビのあり方ではない。10年後に答えが出るかもしれない」と話す。
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10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
「八重の桜」は、1月6日に初回が放送されると、平均視聴率21.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好発進を切ったが、その後は13~15%程度と伸び悩んでいる。同じ東日本大震災の被災地を舞台としたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」は、初回から最終回までの期間平均視聴率が20.6%(同)と好調だったこともあり、「八重の桜」は“低調”などと比較されて報じられてきた。その理由として、綾瀬さんが演じる主人公・八重の知名度の低さが挙げられることもあり、内藤CPは「一般的に知られていなかった人を見せる難しさはあった」と苦労を語る。
一方で、内藤CPは「観光客が増えたと福島の人が喜んでいる」とも話す。八重が生まれ育ち、銃を持って戦った福島からドラマを支持する声が多く寄せられているという。9月28日に行われた最後のロケは福島県で行われ、綾瀬さんが昨年、“はるか”と命名した新種の八重桜が福島に植えられるなど、スタッフはドラマを通じて福島を応援するために尽力してきた。内藤CPが「『八重の桜』にも『あまちゃん』にもそれぞれ目指しているポイントがある。(八重桜の)はるかが花を咲かせるのは10年後。10年後に答えが出るかもしれない」と話すように、「八重の桜」に込められた思いは、時をへて、結実するのかもしれない。
「八重の桜」は、福島県出身で戊辰(ぼしん)戦争の落日、会津の鶴ケ城に約500人の女性たちと立てこもり、銃を持って戦ったことから“幕末のジャンヌ・ダルク”と呼ばれ、のちに同志社を創設した新島襄(オダギリジョーさん)の妻となる八重(綾瀬さん)の生涯を描いている。NHK総合テレビで毎週日曜午後8時から放送中。全50回。(毎日新聞デジタル)
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