アニメ「Z/X IGNITION」「桜Trick」に出演し、声優として注目を集めている遠藤ゆりかさんが、5日発売のシングル「モノクロームオーバードライブ」でソロシンガーとしてCDデビューを果たした。人気ロックバンド「GLAY」のHISASHIさんがプロデュースした楽曲について、また今後の活動について話を聞いた。
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−−ソロデビュー曲「モノクロームオーバードライブ」はアニメ「Z/X IGNITION」のエンディングテーマで、GLAYのギタリストであるHISASHIさんの作詞・作曲・プロデュースということですが、曲を聴いていかがでしたか?
HISASHIさんプロデュースと聞いたときは、ソロデビューのお話をいただいたとき以上に、まさか!っていう衝撃でしたね。初めて聴かせていただいたとき、曲としてカッコいいのはもちろん、アニメ「Z/X IGNITION」の情景も浮かんでくるようで、こういう曲を歌わせていただけるなんて本当に素晴らしいことだと思って、とてもうれしかったです。しかも演奏までしていただいて、すごく光栄でした。
−−HISASHIさんとは、どんなやりとりをしましたか。
すごく疾走感のある曲なんですが、当初は最後のサビに入るところで、一瞬止まって、すぐサビに入るようになっていたんですが、そこはもうちょっとタメを入れてからサビに入ろうって、現場でアドバイスをしてくださったりとか。ギリギリまで、いろいろ考えてくださって、すごくうれしかったです。あと「ギャップのある歌声だね」って言ってくださいました。見た目から、フワフワとしたかわいい雰囲気の声を想像していたそうなんですが、実際に歌ってみたら「カッコいい系だね」って。
−−遠藤さんの歌声は、カッコいいソリッドな雰囲気もありながら、甘さみたいな部分もあって。可愛さとカッコよさの両面がある、いい声だなと思いました。
ありがとうございます。レコーディングのときは、どういう声色でどういうふうに歌えば一番しっくり来るか、いろいろなパターンを試させてもらったんです。事前に自分の中で考えていったものもあったんですが、現場でこういうのもやってみようっていろいろ試させていただいて。最終的に、おっしゃっていただいたような甘さ……、あどけなさや可愛さを残しつつ、カッコいいサウンドに乗っていける強さもあってという……。ある種のミスマッチ感を楽しむような声色になったと思います。
−−楽曲を歌う上で大事にしたことは?
流れです。最初は、暗い印象を受ける言葉が並んでいて。自分が絶望的な立場にあって、いろいろな感情が渦を巻いているという。それが最後に向かうにつれて決心するというか……。言葉も曲の展開も、すごく希望に満ちたものになっていきます。そういう流れが、すごくステキだなと思ったので。
−−歌詞の中の「その決心」という部分では、遠藤さん自身の決心も重ねましたか?
この曲についてはアニメの世界観をいかに表現するかを第一に考えました。自分の気持ちと重ねて歌ったのは、むしろカップリング曲「REBORN」の方ですね。ロックだけどポップで軽やかな印象の曲で、「殻を破り、今、生まれ変われ」とか「二度とないチャンスに立ち向かえ」という歌詞があって。最初に読んだとき、「これは自分のことを歌っている!」と思ったほどです。今の自分の状況や心境にすごく合っていて、こういうタイミングでこの曲を歌えたことは、すごくうれしいです。
−−もともとは、どういう音楽が好きなんですか?
歌うのと聴くのは別で、聴くのは激しいのが好きです。スクリーモというジャンルの音楽が好きで、システム・オブ・ア・ダウンとかセイオシンとか、洋楽のスクリーモをよく聴いています。
−−女の子でそういうのを聴くのはめずらしいですね。HISASHIさんが感じたギャップが分かるような気がします。スクリーモのどんなところが好きなんですか?
スクリーモって、激しい中にも叙情的でエモーショナルなフレーズが必ずあって。切なくかつ激しく、それを叫びながら歌っているというのが、たまらないんですよ(笑い)。もともと高校生のとき、ニコニコ動画でゆよゆっぺさんというボカロPの方にハマったのがきっかけで。ゆよゆっぺさんは、ももいろクローバーZやBABY METALの編曲もやってらっしゃる方で。ゆよゆっぺさんの曲を聴いたとき、ハードでメロディアスで、自分好みのドンピシャの曲を見つけた!って思ったんです。それで、ゆよゆっぺさんのルーツとなっているのが洋楽のスクリーモだと知って、掘り下げていって聴くようになりました。移動中とか、テンションをアゲたいときは、必ずスクリーモを聴いています!
−−では今後の展望として、考えていることはありますか?
2013年は、嵐のように過ぎ去った1年でした。お仕事を初めてやらせていただいて、本当に初めての経験をたくさんさせていただいて。この1年で感じたたくさんの気持ちの中には、これからも活動を続けていく上で、絶対に忘れてはいけないこともたくさんあったと思います。初心と言いますか……。今年は、それを忘れることなく、日々努力して頑張っていくしかないと思っています。自分の中で一つでも成長できたと思えるものを残せるよう、頑張って飛躍の年にしたいですね。
−−将来的には、どんな声優アーティストになりたいですか?
声優としても歌手としても、自分には何が合っているとか、何ができて何ができないのか、まだまだ手探り状態ですが……。たとえばアニメのキャスト発表や主題歌の発表のときに、遠藤ゆりかって名前が出たときに、みんなが「キター!」って、盛り上がってもらえるような存在になりたいです。遠藤ゆりかという個をしっかり確立するというか……。遠藤ゆりかといったらこれだよねと言ってもらえるような、何かを見つけていきたいです。
−−お話をうかがって、すごく自分を持っている方だと思いました。何となく感じたのですが、負けず嫌いじゃないですか?
どうなんでしょう(笑い)。スタッフさんからも、同じようなことを言われたことがありますが……。自分ではすごくマイペースな性格だと思っているんですけどね。そういう部分では、たとえばレコーディングのときとか、マイペースながらもしっかり準備を整えて本番に臨むことができるという点は、自分の長所かなと思っています。周りから言ってくださるさまざまな言葉を受け止めつつ、自分のペースを崩さないようにやっていきたいと思っています。
<プロフィル>
1994年6月24日生まれ、東京都出身。「第6回全日本アニソングランプリ」決勝進出、「第2回声たまグランプリオーディション」プリンセス賞を受賞。第1回受賞者、高橋花林さんとのユニットYURI*KARIで、昨年4月にシングル「君と二人」でCDデビュー。また、アニメ「ダイヤのA」で声優デビューも果たす。現在はアニメ「Z/X IGNITION」「桜Trick」に出演。今月14日にAKIHABARAゲーマーズ本店(東京都千代田区)、23日にタワーレコード新宿店(東京都新宿区)、3月1日にとらのあな秋葉原店(東京都千代田区)で「遠藤ゆりか『モノクロームオーバードライブ』発売記念lily’s event vol.1」開催。2月16日にZepp Diver City Tokyo(東京都江東区)で開催される「Milk Lariat Special2(vol.6s)」に出演。
(インタビュー・文・撮影:榑林史章)
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