内田真礼:人気声優が歌手デビュー “思春期の男子”っぽい趣味を告白

「創傷イノセンス」でアーティストデビューを飾った内田真礼さん
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「創傷イノセンス」でアーティストデビューを飾った内田真礼さん

 人気アニメ「中二病でも恋がしたい!」の主人公:小鳥遊六花の声を担当したことでも知られる、声優の内田真礼(うちだ・まあや)さんが、テレビアニメ「悪魔のリドル」オープニングテーマ「創傷イノセンス」でアーティストデビューを果たした。歌ったときの気持ちや、意外な趣味について聞いた。

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 −−アーティストデビューしたわけですが。

 もともと歌がすごく好きで、キャラクターソングを歌わせていただいたり、イベントで歌う機会があったとき、「こういうのも楽しくていいなあ」って漠然と憧れのような気持ちはありました。まさか、今このタイミングとは思っていなかったので、驚きましたけど。デビュー曲「創傷イノセンス」はアッパーのロックサウンドで、私が今まで演じてきたキャラクターとは正反対の曲調に驚いた方も多いと思うんですが……。だからこそデビューから、バンッ!と違ったイメージを打ち出したいという気持ちもありました。

 −−役柄ではなく内田さん個人として歌うにあたっては、どういう声を出すか考えましたか?

 自分の歌い方ってどうだったかな?って、すごく迷いました。キャラソンのときなら、カッコよく歌ってほしいといわれれば、すぐにこれだというものが出てくるんですが、自分の声でとなると勝手が違っていて。自分が歌うときの声の基本ラインを探すのが、すごく難しかったです。それで、最初はカッコよさを意識して、鋭くとげのある感じで歌ったんですよ。でもスタッフさんから「みんなが思っている内田真礼をもっと出したい」と意見をいただいて。それでもう一度レコーディングして、カッコよさを自然な私らしさに落とし込んでいった結果、カッコいいけれど、少し柔らかくて女の子らしさもある歌声になりました。あと、ライブで歌うような躍動感を大事にしたいと思って。レコーディングでは歌詞カードを見ずに、赤いサイリウムが振られている様子をイメージして歌いました。

 −−サイリウムはどうして赤なんですか?

 タイトルの「創傷」という言葉から、傷とか血とか、そういうイメージかなと思って。

 −−曲の最後に「私の道は私が決める」というせりふがありますが。

 これはテレビアニメ「悪魔のリドル」の主人公・東兎角の気持ちであると同時に、私自身の強い思いでもあります。CDデビューして、これからいろんなことにチャレンジしていく、たとえそれがいばらの道でも「負けない!」っていう強い気持ちの表れです。

 −−では、アーティストとしてどういう目標を持っていますか。

 私はゲームが大好きで、ゲームのキャラクターやストーリー、その声を担当していた声優さんから影響を受けて、こういうふうに生きたいとか、こういうふうに人に影響を与えられるようになりたいと思って声優を目指しました。なのでアーティスト活動も同じように、私の曲を聴いて「私も自分の道を自分で決めたい」と思ってもらえるように、誰かの一歩を後押しできる曲を歌っていきたいです。聴いてくれる方の、支えになれたらすてきだなって思います。もちろん自分の気持ちがストレートに表れる分、怖さもあると思っていて。今まで私を守ってくれていたキャラクターという殻がなくなって、全部がむき出しになるわけですから。きっといろんなことを言われるだろうし、もっと頑張って練習しなきゃとか、いろいろなことを思うだろうし。でもそんな中で、もっともっと自分を高めていけたらいいなって思います。

 言い換えると、今の私はツルっとしたゆで卵なんですよ。つまりイノセンスな卵。それが創傷していくんだけど、同時にどんどん強くなって、その傷さえもカッコよく見える卵になっていけたらすてきだなって。そんなふうに成長していきたい。傷つくことはたくさんあるだろうけれど、いろんな経験を自信にして、傷をすてきなものにしていきたいです!

 −−声優を目指したきっかけはゲームだったということですが、具体的には?

 特に「ファイナルファンタジー7」。ティファ・ロックハートというキャラクターが大好きで、私がドクターマーチン(靴のブランド)とかのゴツいブーツを履くのや、空手を習っていたことも彼女からの影響です。そうやって何かを始める原動力が、いつもゲームのキャラクターだったんです。ほかに「クロノトリガー」とか「ゼノギアス」とか、完全に“スクエニ厨”です(笑い)。でもどのゲームも私の人生の大切なバイブルです。

 −−ゲーム以外では、どんなものが好きですか?

 男の子っぽいものが好きですね。パソコンとか家電とか機械系が大好きだし。腕時計のGショック、車やバイク。映画も「スター・ウォーズ」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、部屋のゴミ箱がR2−D2なんです。父がそういうのが好きで、そういうものに囲まれて育ったのもあるし。それに私、子どものころ自分のことを「まあや」って呼んでて、かわいこぶって見られるのが嫌で、そこからの脱却を目指した結果、より男の子趣味が強くなったのかもしれないです(笑い)。女子じゃない側に自分を振ることで、自分を守ってきたみたいな。それに、人見知りだからいつもヘッドホンしているんですけど、ゼンハイザーというプロ向けの可愛くないやつで、でもそれがカッコいいし、私らしいし。車を買うならハマーみたいな(ごつい)のがよくて、可愛い軽とかまったく興味ないし(笑い)。ゆくゆくは自分で家も建てたいし!

 −−見た目に反して、男らしいですね(笑い)。

 困ったもんです(笑い)。イベントで、すごく女子の雰囲気になったとき、話に乗っていけなくて(独り)ボッチになっちゃったことがあって。でもここまで来たら、もう女子になじまなくてもいいかなって。これまで生きてきて、いろんなことがあって、自分で自分を守らなきゃというのが強いのかなあ(苦笑)。声優という仕事にも、すごく誇りを持っていて、声優の仕事を大事にしている延長上に全部があると思っているから、全部ちゃんとやりたいし、すべて真面目に取り組むし、絶対に負けたくないし、曲げられないし……。なんだろうなあ、思春期の男子っぽいのかも(笑い)。占いで「あなたはずっと14歳くらいのままで、成長できません」って言われたことがあって、「やっぱりそうかー」って思いました。だから私、きっと“一生、中2”なんです!!

 <プロフィル>

 12月27日生まれ、東京都出身。2010年に声優デビュー。「中二病でも恋がしたい!」「アウトブレイク・カンパニー」など数多くのテレビアニメ作品に出演。「非公認戦隊アキバレンジャー」葉加瀬博世など、女優としても活動。現在、テレビアニメ「デート・ア・ライブ2」「ご注文はうさぎですか?」などに出演中。

 (インタビュー・文・撮影:榑林史章)

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