今年3月に脳出血のため死去したイラストレーターの安西水丸(本名・渡辺昇=わたなべ・のぼる)さんのお別れの会が29日、東京・青山葬儀所で営まれ、作家の嵐山光三郎さん、放送作家の小山薫堂さん、エッセイストの平松洋子さん、俳優の堺雅人さん、國村隼さんら生前交流のあった関係者や一般のファンら700人以上が参列し、安西さんに最後の別れを告げた。
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会場には安西さんの作品が並べられ、さわやかな緑あふれる祭壇には安西さんの笑顔の遺影が飾られた。司会進行はイラストレーターの和田誠さんが務め、嵐山さんや小山さんらのほか、マガジンハウス最高顧問の木滑良久さんやぴあの矢内廣社長ら出版・書店関係者らも多数駆けつけた。
平凡社時代に同僚として安西さんに出会ったという嵐山さんは「水丸が亡くなってから旅をすると、目に入ってくる風景が水丸のスケッチやイラストレーションに重なる。どれもこれも水丸が描いたように見えてしまう。水丸の描いた作品は私や水丸を愛する全ての人々の記憶の中に生きている。水丸の絵は私たちの心の中で永遠に生き続けるのです」と語り、「水丸よ、さようなら。ありがとう!」と呼びかけた。
WOWOWの映画番組「W座からの招待状」で安西さんとともにナビゲーターを務めた小山さんは「水丸さんとは130本以上の映画を見て、番組で感想を語った。やや毒舌だけど、いつも心ある言葉をおっしゃっていて、水丸さんは子供のような大人だなと思っていました」と振り返り、「『どんな映画にもいい部分が必ずある』とおっしゃっていた。見る人が作品を助けるんだということを教えてもらった。また私も映画を作る機会があると思いますが、これからは水丸さんがほめてくれるかなという目線で映画を作っていきたい」と思いを語っていた。