高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、ヘブン(トミー・バストウさん)の親友で“リテラリーアシスタント”の錦織友一を、時に愛らしく、時に鬼気迫る迫力で演じきった吉沢亮さん。第23週で約1カ月ぶりに再登場した錦織は、別人のように痩せこけ、その変貌ぶりが話題となった。ここでは、そんな吉沢さんのストイックな役作りの軌跡をたどってみたい。
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「ばけばけ」では、病に侵された錦織を演じるため、吉沢さん自ら申し出て1カ月で約13キロ減量。死に向かう錦織を鮮烈に体現し、視聴者からは「すごみを感じる役作り」「役者魂すごすぎる」などと驚きの声が上がった。
制作統括を務める橋爪國臣さんは「本当に役に入り込む方。さすがの芝居力」とその演技力をたたえ、「トレーナーを付けて安全の範囲内で落としているとはいえ、撮影で久々に会ったら『本当にこの人死んでしまうんじゃないか』と思えるほどの変貌ぶりでした」「痩せた目の奥の輝きは増していて、精神はより研ぎ澄まされている。鬼気迫るものを感じました」と、吉沢さんの役者魂に敬意を表した。
「ばけばけ」での演技はもちろん、これまでの出演作を振り返ってみても、吉沢さんが過酷とも言える役作りをへて、役に魂を宿してきたことが見てとれる。
主演を務めた大河ドラマ「青天を衝(つ)け」(2021年)では、渋沢栄一の生涯を演じるため、年を重ねるにつれて体重を増やし、最終的には8キロほど増量。同時期に撮影された映画「キングダム 運命の炎」(佐藤信介監督)では、役作りのために1カ月で6~7キロほど減量し、秦国の王・エイ政の9歳の姿を演じたことも話題になった。
「第49回日本アカデミー賞」最優秀主演男優賞を受賞した映画「国宝」(李相日監督)での圧巻の演技は、もはや説明不要だろう。吉沢さんは1年半に及ぶ歌舞伎の稽古(けいこ)をへて、芸に人生をささげる歌舞伎俳優・喜久雄の壮絶な半生を表現。狂気をはらんだ鬼気迫る演技で、俳優としての底知れない実力を感じさせた。
国宝の撮影中には、映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」(呉美保監督)の役作りで、手話をゼロから特訓。聴覚障害者である両親のもとで育った“コーダ”の主人公を繊細に演じ、「第34回日本映画批評家大賞」で主演男優賞を受賞。「内面性をも感じさせる手話の演技」が高く評価されての受賞だった。
「国宝」の撮了直後には、映画「ババンババンバンバンパイア」(浜崎慎治監督)で演じる450歳の吸血鬼・森蘭丸の原作のイメージに合わせて、肉体改造をスタート。筋トレと食事管理を徹底し、女形を演じたスレンダーな体形から、わずか1カ月で筋肉質な肉体を作り上げた。
ひとつひとつの役に全力を注ぎ、ストイックに芝居と向き合う吉沢さん。7月にはミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」に出演し、歌とダンスを交えての芝居にも挑戦する。今後吉沢さんが出演する作品で、どのような表情を見せてくれるのか。楽しみでならない。
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