信長のデスマスク:“本物”をテレビ初公開 外国人リポーターの依頼で実現 

TBS提供
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 織田信長直系の子孫に代々伝わる“織田信長のデスマスク”が、29日放送のバラエティー番組「アメージパング!」で、テレビ初公開されることが分かった。デスマスクは、過去に数回、さまざまなテレビ番組で取り上げられてきたが、今まで紹介されていたのはレプリカだといい、“本物”が紹介されるのは今回が初めて。番組レポーターを務めるオーストラリア人のクリス・グレンさんが、デスマスクを所有する信長直系の43代目の子孫にあたる西山武さんに、本物を見せてほしいと懇願し、今回の初公開が実現したという。

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 番組は、日本人以上に日本が大好きな「ご当地外国人」たちが、ガイドブックや海外メディアが取り上げるようなことではなく、日本人も知らない「アメージングなニッポン」を、各地からリポートする情報バラエティー。人気グループ「V6」がMCを務め、スタジオから外国人の特派員たちの奇想天外なリポートや驚きの映像にツッコミを入れたり、一緒にリポートに出かける。この日の放送には、岡田准一さんと長野博さんがスタジオ収録で参加。デスマスクについて、岡田さんは「え? 本当に? こんなところに?」と半信半疑だったが、映像が紹介されると無言で食い入るように画面に見入り、「いやでも、こういう(隠れた)所にあったりするんだよな。受け継いで大事にしていることは素晴らしいよね」と感想を語っている。

 信長のデスマスクは、本能寺の変の際、信長に仕えていた外国人の部下・弥助(信長が日本名を命名)によってひそかに持ち出されたという信長の首から作成されたと伝えられているもので、信長直系の子孫に代々受け継がれ、現在は愛知県瀬戸市にある「西山自然歴史博物館」の館長で、43代目の子孫の西山さんが所有している。当時「御霊(みたま)」と呼ばれていたというデスマスクは、とても柔らかく、窯で焼かなくてもすぐに乾燥する五斗薪粘土(ごとまきねんど)で作られている。五斗薪粘土は1582年から約300年間使用されていたが、今は採取できない素材ということから保管されているものは“本物”といわれており、木をくりぬいて作った箱の赤い布が敷かれた中に納められ、「信長公御霊」という文字が書かれた紙が添えられている。

 これまではデスマスクは神聖なもので、テレビなど公の場に披露するものではないという考えから、レプリカを公開してきたが、同番組の日本好き外国人が日本をリポートするというコンセプトと、信長の外国人を重んじたこと、信長の首からデスマスクを作らせた弥助も外国人だったということから、(外国人であるオーストラリア人の)クリスさんが見たいというのなら、断るのは信長の意志に反する」と今回のテレビ初公開が実現した。

 西山さんが、デスマスクとともに先祖代々受け継いでいる巻物によると、本能寺の変の際、信長は自ら首を落として弥助に持たせ、弥助は南蛮寺で前田玄以に首を渡し、「岐阜の崇福寺へ持って行き、主君を残せ」とデスマスクを作る指示を出したという。当時、日本にデスマスクを作る風習はなく、「殿の顔に泥を塗るなんて」と周囲は反対したが、弥助が「外国ではデスマスクとして顔を後世に残している」と説得し、日本人にデスマスクを作ることを受け入れさせたという。

 同番組の金原将公プロデューサーは「テレビ初公開を了承してもらえたことはこちらもびっくりだった。(MCを務める)岡田さんが(放送中の)『軍師官兵衛』に出ている縁があるからと、無理矢理お願いしようと思っていた」と語り、「本当に日本が大好きなリポーターのクリスさんも、『外国人に生まれてよかった!』と感激していました」と現場の様子を明かしている。「アメージパング!」は、TBS(関東ローカル)で深夜0時41分~1時11分放送。

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