インド舞踊と日本の伝統芸「講談」の融合で、「古事記」の神話から「天岩戸(あまのいわと)」と「八岐大蛇(やまたのおろち)」を表現するコラボレーションの公演「いざ古事記」が11日午後6時半、なかのZEROホール(東京都中野区)で開かれる。いわばカレーとそばの共演が「カレーそば」のように、新しいエンターテインメントとしてどう伝わるかが見どころだ。
あなたにオススメ
来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹” 朝ドラヒロインまで手が届くか
「日本人なのにインド舞踊でインドの神話を表現してきました。今度は、日本の神話を踊りで表現したい」と話すのは、インド舞踊家の丸橋広実さん。それまで興味を持っていた講談を、昨年、若手の神田山緑(さんりょく)さんから学んだ。「講談の世界がインド舞踊と似てるんです。一人で独自の世界、自分の世界観を演じるところです。インド舞踊には言葉がない。講談の言葉で補ってもらえたら」との丸橋さんの思いが山緑さんに通じた。「古事記なら子供から大人まで分かるから、どうですかと。古事記の中には、現実の社会で、どうすればうまくいくのかという知恵がある。例えば、いじめの問題なども、仲間が協力して助けるという素晴らしさが描かれている。踊りとともに、楽しさが伝われば」と山緑さんは話す。
「丸橋さんの目の使い方に驚いた。目でこんな表現ができるんだという幅がある。これは講談に生かしたい」と山緑さん。「舞台は動と静の繰り返になると思います。私の教える舞踊団の踊りもあるので、インド舞踊が好きな方も、講談が好きな方も、一緒に楽しめると思います」と丸橋さんは期待している。詳細は公式ホームページ(http://www.mohini-jp.net/)を参照のこと。(油井雅和/毎日新聞)