薬屋のひとりごと
第13話 外廷勤務
12月27日(金)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、ハウスを含むダンスミュージックの歴史を描いたバンド・デシネ(フランス語圏のマンガ)の「マシーンズ・メロディ」です。DU BOOKS編集部の筒井奈々さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
アンダーグラウンドカルチャーであり、資料としてなかなか体系化されていないダンスミュージックの歴史をマンガで紹介している初めての本です! DJやクラブカルチャーは現場主義なので、残された書物や映像に触れる機会が極端に少ないのですが、これを読めば、その誕生から隆盛、大量消費による衰退が時系列に理解できます。その時々の選曲リストもついているので、音を聴きながら臨場感たっぷりにも楽しめ、読みごたえも十分です。序文はなんとダフト・パンク!
−−作品が生まれたきっかけは?
原作は、いわゆるフランスのバンド・デシネです。原作と作画をそれぞれ担当するフランス人男性2人組が作者です。今では優良なダンスミュージックを多く生み出しているフランスですが、作者がキッズのころは、彼の地にまだそんな音楽は根付いていない状態。口コミでやっと見つけたいろいろなパーティーに足しげく通うと、そこでいつも見かける顔があったそうです。それが、後のダフト・パンク。彼らは当然意気投合し、夜な夜な一緒に遊んでいたそうです。
作画を担当するマティアスは残念ながら死去しましたが、残されたダヴィッドはマンガ原作者のほか、パーティーオーガナイザーやラジオDJとしても活躍中です。
フランスに造詣が深いクリエーターの梶野彰一さんと、ミュージシャンでデザイナーの江森丈晃さんのコンビに、この原作マンガを教えていただきました。マンガといえどかなりボリュームがありますし、今まで解説されることのなかったカルチャーの教科書としても使えるという魅力を感じて、刊行に踏み切りました。
−−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれど当時は大変だった、もしくはクスッとしたナイショのエピソードを教えてください。
前述もしましたが、史実として文献が残されていない内容が多いので、事実との検証や登場人物の名前の正誤確認などが大変でした。特に、昔のパリのクラブシーンについてはローカルすぎてなかなか固有名詞が理解できず、インターネットで調べてみても、フランス語でよく分からなかったり……。制作の途中で、ダンスミュージックに詳しいライターさんを慌てて監修に立てました。
−−読者に一言お願いします。
本書を片手に、ダフト・パンクからさかのぼって、1970年代のディスコ音楽や80年代のニュー・オーダーなど、その礎を築いてきたダンスミュージックのレジェンドたちの音楽もぜひ聴いてみてください。きっと新鮮に聴こえるはずです。
DU BOOKSからは、これからもバンド・デシネの翻訳出版を予定しています。DU BOOKS公式ツイッター(@du_books)でチェックをお願いします!
DU BOOKS編集部 筒井奈々
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