坂井真紀:年を重ねることは「ポジティブなあきらめを覚えること」

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 女優の坂井真紀さんが出演した台湾映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」(マー・ジーシアン監督)が24日に公開される。実話を基に、永瀬正敏さん主演で日本統治時代の台湾から甲子園に出場し決勝まで勝ち進んだ伝説のチームを描いた同作の中で、坂井さんは永瀬さん演じる鬼監督・近藤の妻を演じている。映画で、夫を支える芯の強い女性を演じた坂井さんに、40代になってからの変化などを聞いた。

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 前回のインタビューで「私は41歳で子供が生まれたので、割とずうずうしくなっているし、あきらめ方も若い子よりも知っていると思う」と話していた坂井さん。40代に突入してからの心境の変化を聞くと「年を重ねることにむだなことは一つもないと実感するようになりました」と語る。

 「人の立場になって考えるというのは子供のときからいわれてきたことだけれど、“人の立場になる”ということがやっと分かってきたんじゃないのかな……。年を取る、大人になるというのは自分以外のことを見られたり、寛大になれたり、“ポジティブなあきらめ”ということを覚えたり……そんなことのような気がして、毎日が楽しいです」と声を弾ませる。

 「KANO 1931海の向こうの甲子園」で海外の映画に初出演を果たした坂井さんだが、今後の“海外進出”については「海外の作品に出たいという思いはあるけれど、積極的に出演したいというよりは、海外にも目を向けつつも、こだわり過ぎず、一つ一つ目の前にある作品を大事にしていきたいという思いの方が強いんです」と語る。

 「私にこの作品で演じてもらいたいとか、お話をいただけるのがうれしい。まず女優である前に女性として年を重ねていって、ふと画面の中にいたときに“いいおばあちゃん”でいられたらいいなと思います。ただただ、ゆるりと一つ一つ真心を込めてやっていきたいですね」と前向きに語った。

 <プロフィル>

 さかい・まき。1970年5月17日生まれ。東京都出身。ドラマ「90日間トテナム・パブ」(1992年)で女優デビューを果たし、数多くのドラマに出演。96年に公開された映画「ユーリ」で映画に初主演し、以降、多数の映画、ドラマ、舞台に出演。2008年の映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」で第18回日本映画批評家大賞助演女優賞、第23回高崎映画祭特別賞を受賞。主な出演作に映画は「ノン子36歳(家事手伝い)」(08年)、「スープ・オペラ」(10年)、「中学生円山」(13年)などがある。14年10月期の連続ドラマ「ごめんね青春!」(TBS系)に出演、15年1月期には「怪奇恋愛作戦」(テレビ東京系)に出演している。09年に写真家の鈴木心さんと結婚、11年8月に第1子女児を出産している。

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