話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の川田さんの相撲マンガ「火ノ丸相撲」です。同編集部の小池均さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−この作品の魅力は?
この作品は身長の小さい少年・潮火ノ丸(うしお・ひのまる)が、身長が大きく、体重が重い方が有利なスポーツ・相撲で高校ナンバーワン、そして横綱を目指していく話です。
たとえ、相撲に向いてないとバカにされようとも、それを超える情熱と努力で勝ち上がっていく火ノ丸の“熱”は、どんなマンガにも負けません。
「相撲っておじいちゃんが見るスポーツだし、まわし姿も正直何かかっこ悪いなー」と今時の若いジャンプ読者が考えるイメージを連載開始以降、全部裏返して“熱くシビれるスポーツマンガ”として非常に高いご支持をいただいております。なので「何で相撲が題材なの!?」と思われる方にこそ読んでほしい作品です!
−−作品が生まれたきっかけは?
ベタに川田先生が相撲好きということが出発点です。ですが、上記の通り若い読者からの厳しい目にさらされる恐れがあったので、逆に「それを全部ぶち壊せる熱量を注ぎ込もう」と苦闘した結果、非常に情熱的なマンガになりました。
相撲は長い歴史と伝統を持った競技なので、最初の読者の色眼鏡さえ突破できれば、マンガとして魅力的なネタの宝庫です。なので、それを突破した今は「逆に新鮮でジャンプで読んだことないけど、面白い王道マンガ」と読者に捉えていただけてると考えてます。
−−作者はどんな方なのでしょうか?
相撲をはじめ、プロレス、格闘技全般が好きな方です。“川田”という名前も本名ではなく学生時代のあだ名で、プロレスラーの川田利明さんからきているらしいです。担当的には写真で見比べても特に似てないし、本名と名前が近いわけでもないので、かなり謎なのですが……。
相撲部に入っていた経験はないのですが、相撲専門誌の記者の方にも褒めていただけるくらい、観戦して分析したり、相撲の本を読んで研究しています。
−−今後の展開は?
火ノ丸と相撲部には次々と困難と強敵が前に現れます。それを火ノ丸個人やチームとしてどう乗り越えていくのかを“さらに熱く”描きたいと思っています。
そういった土俵の上の友情も努力も盛りだくさんでお届けします。精神性、伝統がある相撲だからこそ切り込めるキャラクターの内側みたいなものも、新鮮に見せられる要素なので、その部分もうまく描いていきたいです。
−−読者へ一言お願いします。
2月には江口拓也さんに火ノ丸役をお願いしてアニマックスさんでVOMIC(音声付きコミック)を放送します。スタイリッシュにカッコよく素晴らしい作品があふれる昨今だからこそ、このマンガの泥くさいカッコよさはさまざまな読者の方に新鮮にシビれていただけると思ってます。まわし姿の表紙を見て驚く方も多いと思いますが(笑い)、無料で冒頭を公開してますので、まずはこちらで(http://plus.shonenjump.com/item/SHSA_ST01C88025400101_57.html)第1話をぜひ試し読みしていただければ! 夢中にしてみせます、相撲マンガ!
週刊少年ジャンプ編集部 小池均
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