ピン芸人日本一を決める「R-1ぐらんぷり2015」の決勝戦が10日、関西テレビ・フジテレビ系で午後7時に生放送される。既に準決勝を勝ち抜いた9人の出場者が決まっているが、敗者復活ステージが今回から初導入され、スギちゃんや小島よしおさん、キンタロー。さんら実力派から人気者まで41人が決勝進出3枠を目指している。漫才コンテスト「M−1グランプリ」では、敗者復活したコンビが優勝するという先例もあり、“下克上”がなるかどうかも注目されている。決勝各ブロックごとの見どころと、各ファイナリストの試合前の意気込みを含め紹介する。
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敗者復活ステージは決勝当日に東京都内で開催され、3回戦突破者全員が挑戦できる。今回は41人の芸人が、虎視眈々(たんたん)と三つの決勝枠を狙っている。レイザーラモンRGさん、スギちゃん、おぐさん、小森園ひろしさん、ヒューマン中村さんら昨年決勝進出した実力派がエントリ−。そのほか、ピン芸人としてはすでに知名度の高いやしろ優さん、ガリガリガリクソンさん、小島よしおさん、AMEMIYAさん、キンタロー。さん、桜 稲垣早希さんらも名を連ねている。
一方、決勝進出を既に決めているのは、厚切りジェイソンさん、とにかく明るい安村さん、アジアン馬場園梓さん、じゅんいちダビッドソンさん、エハラマサヒロさん、あばれる君、NON STYLE石田明さん、やまもとまさみさん、ゆりやんレトリィバァさんの9人。決勝当日は、敗者復活の3人を加えた全12人がトーナメント方式で激突する。決勝経験者は、前回優勝者のやまもとさん、じゅんいちダビッドソンさん、エハラマサヒロさんの3人のみで、残りの6人は決勝戦初進出となる。
Aブロックはゆりやんレトリィバァさん(よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪所属、芸歴2年目)、あばれる君(ワタナベエンターテインメント所属、芸歴15年目)、とにかく明るい安村さん(よしもとクリエイティブ・エージェンシー東京所属、芸歴15年目)、復活ステージ3位通過者の順にネタを見せる。
ゆりやんレトリィバァさんは「誰もついて来れないように頑張りたい」と気合十分。自らトップバッターに名乗り出たのは「1個目のネタ覚えてるな、面白かったなという空気を背負って他の皆さんに戦ってもらう」と、初めから場の空気をさらう作戦だ。
続くあばれる君は、昨年数々のバラエティーに出演して活躍するも、今大会では準決勝で敗れており、今回が初の決勝進出。「念願の夢がかなった。気力を尽くしたい」「真面目にやるので、見る側も真剣に、肩に力を入れて見てください」とアピール。
とにかく明るい安村さんは、お笑いコンビ「アームストロング」を解散してピン芸人になってから1年に満たないが、パンツ一丁で「全裸に見えるポーズ」を披露するネタで強烈な印象を植え付けることは間違いない。「今までで一番薄着の優勝者になりたい」と意気込んでいる。
Bブロックは厚切りジェイソンさん(ワタナベエンターテインメント所属、芸歴5カ月目)、エハラマサヒロさん(よしもとクリエイティブ・エージェンシー東京所属、芸歴15年目)、アジアン馬場園梓さん(よしもとクリエイティブ・エージェンシー東京所属、芸歴17年目)、復活ステージ2位通過者の順にネタを見せる。
注目はなんといっても、大会史上初の外国人、厚切りジェイソンさん。普段はIT系の会社に勤めている会社役員と、二足のわらじを履いてはいるが、準決勝の観客投票1位を獲得する実力も兼ね備えている。同ブロックの馬場園さんは「えげつないのが入ってきた」、エハラさんも「こんな奴の後は嫌でしょ」と、警戒しているが、当の本人は対戦相手たちが「大物ばかり」と恐縮し、「最後までやり尽くすしかない」と低姿勢で決勝に臨む。
エハラさんは5年ぶりの決勝に「本当にやったな。新人の気持ちで来ています」と喜んでおり、「R-1は忘れ物を取りに行く場所」と必勝の構え。
普段はコンビ「アジアン」として活躍する馬場園さんだが、今回は相方の婚活を理由に参戦。「一人で頑張らねば食いっぱぐれるし、私が頑張れば隅田(美保)さんも頑張れる」と語っている。
CブロックはNON STYLE石田明さん(よしもとクリエイティブ・エージェンシー東京所属、芸歴15年目)、やまもとまさみさん(佐藤企画所属、芸歴18年目)、じゅんいちダビッドソンさん(アミーパーク所属、芸歴18年目)、復活ステージ1位通過者の順にネタを見せる。
すでに昨年ピン芸人の頂点を極めたはずのやまもとさんだが、「前人未到の3連覇を目指しています。(次回の)2016年しか見えていないですよ!」と強気。「準決勝と決勝の雰囲気は全く別ものだと分かっていたので、それが(昨年)すごく生かされた。それが強み」と、自信を見せる。
じゅんいちさんは、「(サッカーの本田圭佑選手の物まねで)勝手に本物のサッカーを盛り上げたい」。昨年は決勝でトリを務めたが、「プレッシャーに負けた。普段の通りやればよかった」との反省を今回生かし、「(優勝して)ミラノに行って本田選手に会う」と誓う。
お笑いコンビとしては「M-1グランプリ2008」で頂点を勝ち取った経験を持つ石田さんは「まさか自分が通るとは。胸を借りる気持ちで行きたい」と、決勝進出に歓喜。ピン芸は「(漫才とは安心感が)全然違う。怖いですね」と不安を明かすが、ネタを一から練り直したといい、「漫才師でやっているからこそしゃべらずにいけたら……」と語っており、どんなネタになるのか期待が高まる。
「R-1ぐらんぷり」は02年にスタートし、今回で13回目。優勝賞金500万円を懸けて、プロアマ問わず一人話芸の面白さ日本一を競う。過去には浅越ゴエさん、博多華丸さん、あべこうじさん、前回はやまもとまさみさんが優勝した。今回は過去最多の3751人がエントリーした。優勝者には賞金のほか、全国ネットの冠番組が提供される。
司会を務めるのは「雨上がり決死隊」。審査員を務めるのは、桂文枝さん、板尾創路さん、関根勤さん、勝俣州和さん、「キャイ~ン」の天野ひろゆきさん。ブロック戦では、各審査員が3票、視聴者からの「お茶の間d投票」は票数の多い順に1位3票、2位2票、3位1票が加わり、合計点で審査する。ファイナルステージでは、ブロック戦を勝ち上がった3人による最終決戦が行われる。決勝戦の模様は関西テレビ・フジテレビ系で10日午後7時に生放送される。