ゆうばり映画祭:アニメ「進撃の巨人」制作者が舞台裏語る 新作秘話も

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 北海道夕張市で開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」内で21日、CG技術とアニメの関係などをテーマにしたトークイベントが行われ、アニメ制作会社「ウィットスタジオ」の和田丈嗣社長と「プロダクション・アイジー」の石川光久社長が登場。人気アニメ「進撃の巨人」を制作したウィットスタジオの和田社長が制作の裏話を披露したほか、石川社長は杉浦日向子さんのマンガ「百日紅(さるすべり)」を原作にした5月公開予定の劇場版アニメの話などを語った。

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 この日行われたトークイベントは「京楽ピクチャーズPRESENTS CGアニメ大航海時代session3 夢と感動を創造する日本のアニメプロダクション『攻殻機動隊 ARISE』『進撃の巨人』プロデュースの視点」と題して開催。電車の中吊(づ)り広告で「進撃の巨人」に興味を持ち、マンガを読んでみたという和田社長は、アニメ化に至った背景について、「読んでみたら、壁に囲まれておびえている人間というのが、(当時)会社を作って荒波の中に乗り出していく自分にめちゃめちゃかぶった。(主人公の)エレンたちの気持ちにすごく感情移入できるというか。僕がこれだけ感情移入するんだから、日本、もしかしたら世界の人たちへこのテーマは通用するんじゃないかと思った」というエピソードを披露した。

 同アニメは迫力あるアクションシーンが特徴的だが、格闘技の動きが参考になっているといい、「(原作者の)諫山創さんは格闘技が大好きで、参考映像として格闘技の試合の映像をもらった。その映像で一つ一つ説明を受けて、それを映像に落とし込む、という感じだった」と制作の裏話を披露。制作は「社内でアニメーターが隣同士で描き合っている。例えば17話のアクションシーンを描いている人の隣では18話のアクションシーンを描いている、とか。それで隣同士話をしながら、相乗効果で作っていったイメージ」と明かした。

 石川社長は、「河童のクゥと夏休み」「カラフル」などの原恵一監督が手掛ける劇場版アニメ「百日紅~Miss HOKUSAI~」についてエピソードを披露。「原さんが映画にしたいと言ってきた時、これはいけるな、と思った。売れるなという思いは低かったけれど、でもこの作品を作る意味はすごく深いな、と。これを原監督が作れば必ず世界に行ける、という感じがした」と自信をのぞかせた。

 また、「今のアニメ業界で、これほど丁寧に作っている作品はないんじゃないかなと。アニメーションとしての力技というか、それを最大限生かしているのはこの作品じゃないかと思う」と力強くアピールしていた。

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