元ビートルズのポール・マッカートニーさんが28日、「アウト・ゼアー ジャパン・ツアー2015」の最終公演を日本武道館(東京都千代田区)で開催した。1966年に同会場でビートルズの来日公演を行って以来、49年ぶりに武道館のステージに立ったマッカートニーさんは「こんばんは、トーキョー! 武道館ヘようこそ!」「久しぶり、武道館!」と日本語で呼びかけ、1万人の観客を熱狂させた。
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ビートルズ時代の「キャント・バイ・ミー・ラブ」で幕を開けたこの日のライブは、66年の公演でも歌った「ペイパーバック・ライター」「イエスタデイ」、今回の来日公演では初披露の「バースデイ」といったスペシャルメニューに加え、ビートルズ解散後に結成したバンド「ウイングス」時代の「007死ぬのは奴らだ」、最新アルバム「NEW」から「セイブ・アス」やタイトル曲「NEW」など全28曲を演奏。「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」では「一緒に歌おうよ!」というMCを合図に、観客から大合唱が起こると、「いいじゃん!」とご機嫌で笑顔を見せた。
また「レット・イット・ビー」では、客席の1万人のリストバンド型ライトが一斉に光るという本人へのサプライズが用意され、直後のMCでは驚いた表情ながらも「You are so cool!(みんな最高!)」とうれしそうにコメント。さらに、本編最後の「ヘイ・ジュード」とアンコールのラストの際には、赤、白に灯るアリーナ席のリストバンドの光が日本の国旗を、赤、白、青のスタンド席の光が英国の国旗を浮かび上がらせるという演出もあり、場内は熱い一体感に包まれた。
ライブ中に、「この中で、66年のビートルズの武道館公演を見た人は?」と問いかけたり、超満員の客席を感慨深そうに見渡す場面もあったマッカートニーさん。終演後には、「初めてここ武道館に立った日のことを思い出しながら、今夜の素晴らしい観客の前で演奏することができ、とても心動かされ、感極まる体験でした。49年ぶりに武道館に戻ってくることができて、とても興奮したと同時に、これまでの日本のショーでも最高のものだったと思います。とてつもなくクレイジーで、最高な夜でした」と熱いコメントを寄せている。
マッカートニーさんの「アウト・ゼアー ジャパン・ツアー2015」は、21日の京セラドーム大阪(大阪市西区)からスタートし、東京ドーム(東京都文京区)で3公演、28日の武道館公演を合わせて全5公演開催され、20万人を動員した。
(取材・文:水白京)