テレビ試写室:「デスノート」 “凡人”月の変化に注目

7月5日から放送されるドラマ「デスノート」=日本テレビ提供
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7月5日から放送されるドラマ「デスノート」=日本テレビ提供

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は大ヒットマンガを実写ドラマ化した「デスノート」(日本テレビ系)だ。

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 名前を書かれた人間を死に至らしめるノートを手にした主人公の夜神月(やがみ・らいと)と「L(エル)」ら若き天才たちの息詰まる頭脳戦を描き、アニメや映画、舞台とさまざまなメディアで展開してきた人気マンガがついに実写ドラマ化。映画などでは描かれなかったキーパーソンのニアが登場するほか、新たな要素も盛り込まれる。

 夢もなく平凡な日々を送っていた大学生の夜神月(窪田正孝さん)は、ある日、アルバイト先で高校時代の同級生・佐古田(出合正幸さん)に出会う。親友の鴨田(柾木玲弥さん)を恐喝する佐古田を止められず、無力感にさいなまれていた月の元に空から一冊のノートが降ってくる。「DEATH NOTE」と書かれたそのノートには“名前を書かれた人間は死ぬ”という注意書きがあった……。

 原作の特徴の一つが、「新世界の神になる」と口にし、独自の正義感に基づいて殺人を続けながら、さまざまな謀略を駆使して警察を欺いていくという、およそ少年マンガの主人公とは思えない月の突き抜けたダークヒーローぶりだった。今回のドラマ版では、殺人を犯したことへの後悔の念や思い悩む月の姿が描かれており、物語の序盤から、ほぼ完成されていた原作の月とは異なる印象を受けた。親友に付き合わされてアイドルのイベントでペンライトを振ったり、安定した公務員になりたかったりと一見“凡人”の月が、どのように変化していくのかがドラマ版の見どころの一つになるのだろう。

 シャープな印象にあやうさも持ち合わせた月役の窪田さん、原作にはない中性的な雰囲気も醸し出しているL役の山崎賢人さんをはじめ、キャストはおおむねイメージ通りの印象だ。特に、肩書は原作の警察庁刑事局長から捜査1課係長に落ちてはいるものの、松重豊さん演じる月の父・総一郎率いる日本警察チームは物語にマッチしている。

 放送前からネット上でさまざまな意見が飛び交っているが、“原作通りにはいかない”とうたっているので、その分どういう展開になるのか想像がつかない。個人的には、原作でLの後継者とされていたニアの立ち位置が気になる。第1話終盤のあるシーンはさらに反響を呼ぶのではないだろうか。

 放送は毎週日曜午後10時半から。初回は30分拡大版で午後10時から。

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