人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの生みの親として知られる富野由悠季監督が23日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で行われた「第28回東京国際映画祭(TIFF)」の特集上映「ガンダムとその世界」の初日に登場した。自身の最新作で昨年10月~今年3月に放送されたテレビアニメ「ガンダム Gのレコンギスタ(Gレコ)」の上映終了後のトークショーに出席した富野監督は、同作について「大人が分かるものを作る暇はなくて、10~14歳の子供に種まきをしたくて『Gレコ』を作った」と熱弁した。
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富野監督は「(『Gレコ』に登場する)キャピタルタワー(軌道エレベーター)は(現代の)クリーンエネルギーでは実現しない。(エネルギーについて)もっと研究しないといけないと考えた。大人が分かるものを作る暇はなくて、10~14歳の子供に、(エネルギーについて考える)種まきをしたくて『Gレコ』を作った。今はロボットものとして見てくれればいいが」と狙いを説明した。
また、“毒舌家”として知られ、自身の作品も厳しく自己批判することがある富野監督だが、「ミノフスキー粒子は秀逸なアイデア」とファーストガンダムで登場させた架空の物質を自画自賛。「工学のことを考えたわけではなく、映画を作るために“発明”した。地球の反対側と戦っていてもドラマにならない。取っ組み合いをするために、無線を遮断することを思いついた。ガンダムが揺るぎないのは、ミノフスキー粒子があるから、愛憎劇ができる。改めて秀逸なアイデアで感動した」と話した。
TIFFは、1985年にスタートし、今年で28回目を迎えるアジア最大級の映画祭。今回は「ガンダムとその世界」と題し、「機動戦士ガンダム」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 1 青い瞳のキャスバル」「ガンダム Gのレコンギスタ」など約20タイトルを上映する。この日のトークショーには、ガンダムファンという筑波大デジタルネイチャー研究室の落合陽一助教授も登場し「1987年生まれなので最初に見たのは『Vガンダム』。何で首が吹っ飛ぶんだろう?と思った」などと語っていた。
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