2014年に結成25周年を迎えた音楽ユニット「電気グルーヴ」の活動を追ったドキュメンタリー映画「DENKI GROOVE THE MOVIE?-石野卓球とピエール瀧-」(大根仁監督)が26日に公開される。1989年8月20日に行われたデビューライブなど初めて世に出るものや昨年行われたフジロックフェスティバルのグリーンステージでのパフォーマンスなど貴重なライブ映像のほか、元メンバーの砂原良徳さんやヒップホップグループ「スチャダラパー」、スタッフ、関係者らの証言を交えつつ、電気グルーヴの歴史を総括し魅力に迫る。
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89年の結成以来、四半世紀にわたって個性的な音楽性と独特の存在感で支持を集めている電気グルーヴ。91年にアルバム「FLASH PAPA」でメジャーデビュー後、所属事務所の消滅やシングル「Shangri-La」のヒット、メンバー脱退、活動休止など波乱に満ちた道のりを歩んできた。電気グルーヴはなぜ常に革新的で他がまねできない存在で居続けられるのか。2人の26年の物語がひもとかれる……という構成。
電気グルーヴといえば、ファンや同世代の人たちには音楽シーンに多大な影響を与えたことは当たり前のように感じるかもしれないが、ピエール瀧さんが在籍しているユニットという認識程度の人にとっては、もしかしたらかなり衝撃的な内容なのかもしれない。テクノを取り込んだ音楽を80年代の日本で展開しているという先進性をはじめ、電気グルーヴの足跡が凝縮されており、知っている人も知らない人も、そのすごさ、存在の大きさを実感できる。演出的には電気グルーヴ本人たちの自分語りはなく、時系列的に活動をたどりながら、関係者たちが当時の様子やピエール瀧さんと石野卓球さんについて語っていくという構成。これが効果的で、主観的でありながら客観的に電気グルーヴについて知ることができる。今作で初公開となる貴重なライブ映像もあり、従来のファンも見応え十分。この映画を見れば、電気グルーヴがなぜ愛され続け、多くの人に影響を与え続けているのかがきっと分かるはずだ。26日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で2週間限定公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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