人気グループ「KAT-TUN」の元メンバーの田口淳之介さんが、メジャーでのソロデビューシングル「Connect」を5日にリリースした。タイトル曲で「つながり」をテーマにしたダンスナンバー「Connect」をはじめ、カップリング曲やジャケット写真なども、本人がクリエーティブな作業の細部にまで携わって完成させたという渾身(こんしん)の作品だ。田口さんに、ソロになることを決断した経緯、メジャー第1弾シングルとなる今作の制作秘話や楽曲にまつわる恋愛観、今後の展望などについて聞いた。
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――2016年の春、当時30歳で所属していたグループや事務所を離れた理由は?
自分が歩んできた中で、一種の区切りを迎えたというか。人間的な部分と男としての部分、あと組織の人間としての生き方(の区切り)とかですかね。20代という全力の時を経て、いろいろ経験した上で、自分の長所や短所、あとは自分の信念というものが明確になってきたんです。30代という10年間は、自分を磨き上げる時なのかなって。何年周期でその人の人生にどういう転機が訪れるか分からないけれど、自分にとっては10年周期で訪れたんだなって思います。そういうタイミングだったというか。もちろん環境も変わるわけだし、不安はなかったわけじゃないけれど、自分の生きる道を選択したからには、自立した今をちゃんと見せられたらいいなと思って、頑張ってます。
――前事務所を退所後、ご自身の生活や仕事を考えた時、「自分には音楽しかない」と思ったそうですが、特に影響を受けたアーティストはいますか。
20代に入ってから洋楽を聴くようになって、その中で、クリス・ブラウン、アッシャー、NE-YOとかのR&B系で歌って踊るスタイルの人たちに衝撃を受けまして。そういう海外のアーティストに衝撃を受けたように、自分もそういう立場でありたいなと思ったし、音楽や踊りに関してはやっぱり自分の長所でもあって、そこの自信はあったから、音楽を通して自分がその起点になれればいいなって思ったんです。
――今回のメジャーデビューを発表した時の周りの人の反応は?
今まで仲良くしている芸能人の方、媒体関係の人、普通の友達とか、久しぶりに連絡してくれた方もいるし。オリラジのあっちゃん(オリエンタルラジオの中田敦彦さん)とはもう長年の付き合いになりますけど、この前、「福岡アジアコレクション」で一緒になって。彼は「RADIO FISH(レディオフィッシュ)」としても活動していますし、音楽の話とかもしたり、この前の楽屋では「立場は違うけれど、芸能でお客さんを楽しませるという価値観を持ちながら、お互いに頑張っていこうね」みたいな話をしました。芸人さん、アスリートの方……いろんな分野の人たちが仲良くしてくれていますけれど、そういうつながりって大事だなと思いますね。
――メジャーデビュー曲「Connect」はまさに「つながり」がテーマで、1VERSE(バース=歌い出しのAメロ部分)目はご自身の言葉がかなり反映されているそうですね。どんなイメージで制作されていったのですか。
自分が好きなヒップホップやR&B、あとテクノやレゲエとか、いろんな要素を自分なりにのみ込んでまとめた楽曲。誰かがいて自分がいる、世界も誰かと誰かで一つにつながっているという意味を歌詞に込めて作りました。つながりの中で自分が成り立っているというのをホントに感じたので、そういう意味で今の自分を表している曲です。でも、ノレて気持ちのいい、踊れる曲っていうのを出したいなと思って作ったので、(サウンドやリズムの)ノリで入ってもらって、歌詞を掘り下げた結果、メッセージが伝わったらいいかな、みたいな。普通に口ずさんでもらえたらと思います。
――MVには、2020年の東京五輪で新種目にもなるスケートボード、サーフィンから、スケートボードの中田海斗選手、サーフィンの大原洋人選手、さらにスノーボードの中井孝治選手らが出演されていますね。
自分の身近にいてすごくカッコいいなって思うスケーター、スノーボーダー、スキーヤー、BMXライダー、サーファーとか。ストリートカルチャーで自分らしさを持って生きている人たちのカッコ良さが僕にはすごく衝撃で、そういう人たちに出演してもらえて、そこでもまた仲間とのつながりを感じました。その分野で活躍している人たちにも自分のことを知ってもらえたり、お互いのカルチャーの行き来ができたらいいなって思います。
――カップリング曲のタイトル「QI」は“求愛”の意味で、「一夜限りの恋……」という言葉で始まる大人のラブソングですね。
妄想の中で、こんなシチュエーションがあったら……みたいな想像をかき立てられる歌詞で、エロいなって(笑い)。正直、(自分の恋愛観としては)一夜限りとかはあんまりアレだけど、世の中にはあるじゃないですか。だから、ドキッとしてる人はいるのかなって。
――田口さんはどんな女性に魅力を感じますか? 「QI」の中の女性像と比べてどうですか。
結構、自分は影響を与えてくれる人というか、芯が通って自立してる人が女性として魅力を感じますね。何となく、この曲の女性もそういうタイプの人なのかなって。“男を手玉にとる”じゃないけど、ちょっと追いかけたくなるような女性像が描かれていて、そういう人が僕も純粋にタイプだな、と思いますね。
――ちなみに、田口さんが以前、よく披露していた「入口、出口、田口でーす!」というキメぜりふは、今後は……?
たぶんやらないと思いますね(笑い)。まあ、そのときどきの自分の役割もあったと思うし……だからやる時はやるかもしれないけれど、別に今、自分的にもそういう立ち位置じゃないのかなって。
――なるほど。では改めて、アーティストとしての今後の抱負、意気込みをお願いします。
初めて聴いた時の感動や掘り下げた時の奥深さが音楽にはあると思うので、そこは今後も追求していきたい。洋楽っぽいサウンドでありながら、歌謡曲のメロディーだったり、歌詞を重視したり、日本人としての自分の音楽性を、新しい形でどんどん打ち出していけたらいいなって思いますね。
<プロフィル>
1985年11月29日生まれ、神奈川県出身。99年から芸能活動を開始し、2006年3月に「KAT-TUN」のメンバーとしてCDデビュー。16年春にグループを離れ、所属事務所を退所。同年11月にはシングル「HERO」をインディーズでリリース。田口さんが初めてハマッたポップカルチャーは、小学生のころに好きだったテトリス。「ゲームは好きで子供のころからやってたし、たぶん、そういうパズル系が好きなんでしょうね。そこから結構、クロスワードパズルとかのパズル系の本を買ったりしてました」と話した。
(インタビュー・文・撮影:水白京)