22/7:デジタル声優アイドルの人生を変えた作品は? 帆風千春、海乃るり、宮瀬玲奈に聞く

「22/7」の(左から)海乃るりさん、宮瀬玲奈さん、帆風千春さん
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「22/7」の(左から)海乃るりさん、宮瀬玲奈さん、帆風千春さん

 秋元康さんとソニー・ミュージックレコーズ、アニプレックスがタッグを組み展開するデジタル声優アイドルグループ「22/7(ナナブンノニジュウニ)」。2016年末の結成から朗読劇、CDデビューを経て、今年7月には冠番組「22/7 計算中」(TOKYO-MXほか)がスタート。さらに、アニメ化も発表されている。11人のメンバーの中から、帆風千春さん、海乃るりさん、宮瀬玲奈さんに、これまでの活動や自身の人生を変えたアニメやゲームについて聞いた。

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 ◇声だけでなく動きで表現 「キャラクターを作っている感覚」

 「22/7」は、劇場版アニメ「君の名は。」(新海誠監督)のキャラクターデザインを手がけた田中将賀さんや「けいおん!」の堀口悠紀子さん、アニメ「変態王子と笑わない猫。」などのカントクさんといったクリエーターがデザインしたキャラクターの声をそれぞれのメンバーが担当。帆風さんは佐藤麗華、海乃さんは戸田ジュン、宮瀬さんは立川絢香の声優を務めている。

 帆風さんと海乃さんは元々声優志望で、宮瀬さんは「小さい頃からアニメを見て、心を動かされてきた経験がたくさんあったので、自分も発信する側になりたい」という思いからオーディションを受けたという。そんな彼女たちが初めてファンの前でキャラクターを演じる姿を見せたのが、今年2月のセカンドシングル「シャンプーの匂いがした」の発売記念イベントだった。

 リアルモーションキャプチャーで、メンバーの動きをアニメで再現したバーチャルライブ。帆風さんは「キャラクターとしてリアルタイムでMCをさせていただいて、掛け合いの中のアドリブや仕草、立ち方もキャラとしてやりました。デジタル声優アイドルならではの活動だなと、すごく印象に残っています」と振り返る。

 海乃さんは「それまでキャラクターを皆さんに知っていただく機会がなかったので、キャラクターと一緒に歩めるライブだったなと思いました。声優として少しでも成長できたのかな、進めたのかなとうれしかった」と語る。

 初の冠番組「22/7 計算中」は、3DCGのキャラクターたちがトークやロケに挑戦するという斬新なバラエティー番組で、帆風さんらリアルメンバーは声のみの出演。制作の上ではリアルメンバーが実際にロケへ行き、体験した際の声が採用される。

 ミステリアスな女の子の立川絢香を演じる宮瀬さんは「絢香ちゃんは余裕のある女の子なんですけど、私自身はちょっとトラブルが起きたら慌てちゃったり、緊張したらカチカチになってしまったり、余裕があるタイプじゃない。番組で、遊園地のジェットコースターに乗るロケがあって、スタッフさんには『絢香ちゃんはジェットコースターが得意だと思うよ』と言われたんですけど、私はすごく怖くて……。その時は宮瀬自身のリアクションが出ちゃいました。自分と絢香ちゃんの差を埋めていくのがこれからの課題」と話す。

 メンバーが語るように、「22/7」では声の演技はもちろん、仕草や立ち方といった動きの演技も必要となるのが大きな特徴だ。これまでリリースされた楽曲のミュージックビデオ(MV)でも、各キャラクターのダンスシーンや細かい動きはモーションキャプチャを使って収録されている。宮瀬さんは「私たち自身の動きがそのままMVに投影されているので、毎回キャラクターとして踊っている」と語る。

 8月22日にリリースされた3枚目のシングル「理解者」は、「これまでの2曲とは違ったカッコいい系の曲」と帆風さんは表現。宮瀬さんは「ダンスも激しい。中でもすごく難しいステップがあって、ひたすらみんなで練習しました。それが、出来上がったMVでも見えたので、また一つスキルアップできたなと思いました」と振り返る。

 さまざまな形で「キャラクターを演じる」という経験をする中で海乃さんは「キャラクターを作っているような感覚がある」という。「最初はキャラクターの性格がまだ全然分かっていなかったので、どうしたらいいんだろうと思っていた。でも、番組のロケなどを重ねていくうちに、私たちが作り上げていくものなんだと気付いた」と力強く語った。

 ◇メンバーの人生を変えた作品は? 愛を熱弁!

 帆風さんらに「人生を変えたマンガやアニメ、ゲーム」を聞くと、ぱっと目を輝かせて、自身の好きな作品を熱を込めて語ってくれた。

 帆風さんが挙げたのは人気ゲーム「ペルソナ」シリーズの「ペルソナ3」。「最初は、お兄ちゃんが読んでいたゲーム雑誌で(キャラクターデザインを手がける)副島(成記)さんの絵を見て興味を持ったんです。『ペルソナ3』がRPG系で初めて最後までクリアできたゲームで、2周目もいきたいと思えた」と振り返る。

 ゲームの魅力を「グラフィック、音楽と全てが素晴らしい。戦闘の際の戦略性の面白さもある。ストーリーも深みがありますし、他のキャラクターとの関係性を作れる。やり込み要素がすごく充実しているんです。私は、このゲームでやり込みを覚えました」と語った。

 海乃さんは、高橋留美子さんのマンガが原作のアニメ「犬夜叉」が「人生にすごく影響を与えた」と話す。「アニメも映画も全部見て、主題歌も全部覚えたという初めてのアニメが『犬夜叉』でした。かごめや桔梗(ききょう)に憧れて弓道を習い始めたり、剣を振るいたいという欲求から殺陣を習い始めたり。あと、私の『海乃るり』という名前もファンの方の声を元に決めさせていただいたんですけど、『犬夜叉』に瑠璃(るり)というキャラクターが出てくるから『るりに決めよう』と思ったんです」と明かした。

 「犬夜叉」の中でも海乃さんが好きなキャラクターは珊瑚(さんご)といい、「重い過去がある子なんですけど、それでも負けずにすごく強いんです。珊瑚ちゃんを見て『強い女の子ってカッコいい』と憧れを持ちました」と話す。ちなみに、海乃さんは「深夜アニメの沼にたたき落としてくれた作品」として、故・藤原ここあさんのマンガが原作のテレビアニメ「妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)」を挙げてくれた。

 スマホゲームを楽しむことが多いという宮瀬さんは、オンラインゲームの「Identity V(第五人格)」に最近ハマっているといい、「やり込みすぎて、ずっとオンライン上の見知らぬ誰かと協力してプレーしています。気付いたら何時間もやっている」と話す。

 宮瀬さんは「将棋が大好きです」とも話し、日本将棋連盟公認の将棋アプリを楽しんでいるという。アプリでは連盟公認の免状・認定状を申請することもでき、宮瀬さんは「段を取りたい」と意気込んでいた。「好きな駒は桂馬で、自分がなりたい駒は飛車です」と楽しそうに語った。

 「22/7」はアニメやマンガ、ゲームが好きなメンバーが多く、それぞれの好きな作品について語り合うこともよくあるという。「22/7」はキャラクターも個性的だが、演じているメンバーもさまざまな魅力を秘めているようだ。

 最後に「私たちはデジタル声優アイドルグループということで、声優、アニメ、アイドルと、ファンの方にとってはいろいろな入り口を持ったグループ。その全ての方に愛されるのは難しいことだとは思うんですけど、それを私たちは達成していきたい。幅広い方々に受け入れてもらえるグループになれるよう頑張ります」と帆風さん。アニメ化も控える今後の展開に注目したい。

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