女優ののんさんが12月21日、東京都内で行われた劇場版アニメ「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」(片渕須直監督)の公開記念舞台あいさつに登場。約3年ぶりにすずの声を演じたのんさんは、現在の気持ちを聞かれると「シーンが付け足されて、また新作として送り出すという、ほかにない経験をさせていただいて。とても喜びに満ちています」と笑顔。「(企画が始動してから)9年も一つの作品に力を注いで、まっすぐに作っていく、このすごい執念の……監督の作品に参加できたのがすごく誇らしくて、一生忘れないなと思っています」と感慨深い表情で語った。
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前日公開を迎え、のんさんが「本当にうれしいですね。まさか3年も年月がたつとは思わなかったんですけど……」と率直な心境を吐露すると、すずの夫・北條周作の声を務めた細谷佳正さんも「本当に、そんなに待つとは思わなかったですよね」と同意。片渕監督は「みなさんに声を入れていただいてからも、絵を作る作業がたくさんあって……いつ終わるんだろうなと思っていたんですが。とうとうこうやってみんなと一緒に(観客の)みなさんの前に並ぶことができました」としみじみと語った。
舞台あいさつでは、すずの小学校の同級生・水原哲の声を務めた小野大輔さんからのメッセージが読まれる場面もあり、「本作は間違いなくずっとずっと心に残り、語り継がれる名作です」と小野さんのメッセージが披露された。舞台あいさつには尾身美詞さん、潘めぐみさん、岩井七世さん、新谷真弓さん、牛山茂さんも出席した。
「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は、2016年公開の「この世界の片隅に」に新規カットを加えた新作。「この世界の片隅に」は、「漫画アクション」(双葉社)で連載され、2009年に「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代さんのマンガが原作で、戦時中、広島・呉に嫁いだ18歳のすずの生活が、戦争の激化によって崩れていく様子が描かれた。劇場版アニメは2016年11月に公開され、異例のヒットを記録。日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞に選ばれたほか、アヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門審査員賞を受賞した。
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