俳優の大泉洋さんが主演を務める映画「グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~」(成島出=なるしま・いずる=監督)が2月14日に公開された。昭和を舞台に、情けないのになぜかモテて、何人もの愛人を抱えるダメ男・田島周二が、多くの愛人たちと別れるために、金にがめつい担ぎ屋の女・キヌ子に女房を演じてくれと頼み込むことから起こる騒動を描く。大泉さんに、モテ男を演じた“極意”やモテエピソード、作品について聞いた。
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映画は、大泉さんと小池栄子さんのダブル主演作で、太宰治の未完の遺作を劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチさんが戯曲化した「グッドバイ」が原作。小池さんは舞台版でもキヌ子を演じ、舞台版では田島を仲村トオルさんが演じた。
大泉さんはモテ男役に「仲村トオルさんはモテ男の説得力がありますよね。(映画では)俺がやるわけだから、(外見は)目をつぶってもらうしかない。できるだけ小ぎれいにはしましたけど」と自虐ぎみ。田島のキャラクターについて「どこか頼りないところがあるけど、とにかく優しくて、いると落ち着いたり、寂しい時に会いたくなるような人」と語り、「僕から口説いたことはない」という劇中のせりふを挙げて、「田島は女性に対して優しいんだろうと思います。誘われたら断らない人でしょう。私がやるからにはそういうキャラでいくしかない」と役作りを振り返った。
大泉さん自身のモテエピソードを聞くと「常にモテたいと思っていましたけど、特にモテなかったなあ。面白いだけではモテなかった」と回顧。「人生最高のモテ期は小学校時代。ずば抜けて面白かったんです。クラスの中の人気者でもあって、クラスの出し物の陣頭指揮をとってコントをやってウケていたりしたから、他の子とは違ってました」と懐かしい思い出を語った。
田島との共通点は「周りからケチと言われているのは僕に似てる。金銭感覚がしっかりしていて、高すぎるものは払わないところかな」と言い、自身も父親であることから、劇中で子供と離ればなれになる田島に対し「3歳の娘と分かれて3年間も放っておくなんて、父親としてはひどいですよね」と親心ものぞかせた。
劇中には、田島とキヌ子のニセ夫婦が別れを告げに行く愛人役として水川あさみさん、橋本愛さん、緒川たまきさんが出演。離れて暮らす田島の妻を木村多江さんが演じている。
ぞれぞれ個性的な性格で、どの女性キャラクターに魅力を感じるか聞くと、ポスターをじっくり眺め、苦手なタイプから順に挙げた大泉さん。「一番ないなと思うのは花店の青木保子(緒川さん)。重い、確実に重いです。何度も死のうとするでしょう。なにかと泣いてるし、重すぎます」ときっぱり。続けて挿絵画家の水原ケイ子(橋本さん)について「書いている絵が怖いですよね。ゾッとするからやめてほしいな」と挙げた。
そして「キヌ子の明るさと強さは、いいです。どうやら強い女性の方が僕は好きなんです。僕がいないとダメみたいな人は不安になっちゃう。『毎日、電話ちょうだい』とか、疲れて帰ってきても『話を聞いて』って言われるとか(は苦手)」と明かす。クールな医者・大櫛加代(水川さん)も好きなタイプの女性かと聞くと、うなずきながら「あっさり、さっぱりしているほうが僕は好きですね」と語った。
同作を手がけた成島監督について、大泉さんは「社会派な作品も多く、成島さんと作品を作れるのがうれしかったです。喜劇でのオファーは意外でしたが、うれしかった」とにっこり。さらに成島監督が闘病で入院していたことを振り返り「(今作の)撮影の直前に病気が分かって撮影が延期になり、入院中に脚本を直して、より喜劇に寄せたようです。撮り方も喜劇の勢いがありました」と明かした。
今回の撮影では、田島が石灰石の粉を舞う採石場をさまようシーンの撮影で目を開けていられず、苦労したという大泉さん。その後は石灰石の粉の量を調整し、無事に撮影ができたといい「(成島監督は)粉が舞っている白い世界を加工ではなくこだわって撮影していて、大量に粉を吹き付ける中でぼうぜんと歩いてほしいという演出でした。全然、目が開けられなくて、芝居になりませんでした」と苦笑いをしながら、こだわりの撮影現場を振り返った。
(取材・文・撮影/水野由美子)
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