アイドルグループ「モーニング娘。’20」などが所属するハロー!プロジェクト(ハロプロ)の夏のコンサートツアー「Hello! Project 2020 Summer COVERS ~The Ballad~」が、7月11日の東京・中野サンプラザ公演で開幕した。同ツアーでは、新型コロナウイルス感染予防対策のため「観客側が発声を伴わずに楽しめるもの」として、ハロプロメンバーがそれぞれソロでJ-POPのバラード曲をカバーするという形式で開催される。ハロプロリーダーで「モーニング娘。’20」でもリーダーを務める譜久村聖さんは、ステージに立った感想を「人生で一番!?ってぐらい緊張しました。ですが、開演してホールに出て行った時は、素直にコンサートができるのがうれしいって気持ちで、皆さんの顔を見てウルっときました」と語った。
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同ツアーは、新型コロナウイルスの感染予防対策として会場の消毒、マスク着用、検温、入場時の手指消毒、3密防止の徹底などをはかった上で行われる。それぞれのメンバーがカバーする楽曲については、事前に公式サイトで52曲が公開されており、メンバーがA、B、Cの3チームに分かれ、公演を行う。カバーする楽曲には、沢田知可子さんの「会いたい」、尾崎豊さんの「I LOVE YOU」、中島みゆきさんの「糸」、薬師丸ひろ子さんの「セーラー服と機関銃」、「安全地帯」の「ワインレッドの心」、米津玄師さんの「Lemon」、米良美一さんの「もののけ姫」などさまざまな名曲がラインアップされ、どの楽曲をどのメンバーが歌うかは当日までのお楽しみとなっていた。
7月11日のツアー初日の皮切りとなったAチーム公演では、開演とともに客席側から次々とステージへ登壇するメンバーへ観客席から大きな拍手が寄せられた。コンサート1曲目は、アイドルグループ「AKB48」の「365日の紙飛行機」をチーム全員でカバー。サプライズの演出で観客を驚かせた。
その後、初日のMCを務める保田圭さんが、本ツアーでは新型コロナウイルス対策のため、スタッフなどを少人数化し、全体リハーサルの回数も減らし個別での準備に切り替えられたことなど、さまざまな試みがなされたことを説明。「今回は全てのメンバーが平等にメインボーカルということで、みんないい緊張感でビシッと気合が入っております。皆さん楽しみにしていてください」と呼びかけた。
ソロパフォーマンスのトップバッターを飾ったのは「Juice=Juice」の段原瑠々さん。客席全体に広がるオレンジのペンライトの光を見上げながら、坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」のカバーを披露した。段原さんはステージ後、「すごく緊張しました! 皆さんに楽しく明るく幸せな感じが伝わればいいなと思って笑顔で、大切に歌わせていただきました」と語った。
Aチームの7番目には、ハロプロリーダーの譜久村さんが登場し、平井堅さんの「僕は君に恋をする」のカバーを披露。ステージ後に「不安は強かったですが、私自身がファンでもある平井堅さんの『僕は君に恋をする』を歌えるのがうれしくて、“こういうチャンスは今までに訪れなかったことだから”と思い、ファンの皆さんに“これもいいね!”と思ってもらえるように歌いました。歌唱後にステージ袖にハケた時、保田さんが『頑張ったね。よかったよ!』と言ってくださって、それがうれしかったです。もう、仏って感じでした!(笑い)」と振り返った。
譜久村さんは「今回は1人ずつステージに上がるので、精神面もすごく鍛えられると思いますし、メンバーそれぞれ新しい表現の幅も広がっていくと思います。メンバーの新しい一面が見られるコンサートなんじゃないかなって思います。一番であんなにきれいに歌いあげた段原は本当にすごいと思う。精神強すぎる! 私、多分トップバッターだったら歌えてなかったです。個人的に注目してほしいのは、(モーニング娘。’20の)小田さくらです!」と語った。
同ツアーでは、観客はマスク着用の上、着席での鑑賞となる。また、公演中の歓声は全面禁止と、これまでのハロプロのコンサートとは趣の異なるものとなった。コンサート開催にさまざまな制限が課せられている中で、「それを逆手にとる形でどれだけお客さんを楽しませられるかという挑戦が隅々に込められている」という。公演中は、観客が各メンバーのソロパフォーマンスをペンライトを手にじっくりと鑑賞し、ステージが終わるごとに大きな拍手が会場を包んだ。
同ツアーは今後も各地の状況を鑑みつつ、ツアーファイナルとなる8月30日の愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホールまで全国7会場、14日程で全33公演の開催を予定している。