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ひとり暮らし長~い芸人
11月21日(木)放送分
動画配信サイト「YouTube」のドラマチャンネル「僕等(ら)の物語」で、ショートドラマ「彼女のカノジョ」が配信中だ。若手俳優が活躍できる場所を作る目的で開設された同チャンネルで、第1弾として「THE LAST SCENE」を配信。作品を構成する四つのショートドラマの一つ、「彼女のカノジョ」に出演している吉田凛音さん、新田桃子さん、宮下かな子さん、山口貴也さんに話を聞いた。
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「彼女のカノジョ」は、吉田さん演じる早川凪と、新田さん演じるゆーこの関係性や、やり取りを中心に、同性愛や妊娠といったテーマをコメディータッチで描く。
吉田さんは凪役について、「初めての役柄で、今後もないのではという思いで演じた」と切り出し、「普段から男っぽいとは結構言われますが、それをいかに映像内で表現するかは大変だった。ただ演じてみてすごく楽しかった」と振り返る。
ゆーこ役の新田さんは、「(凪とゆーこの)2人がカップルでも私は女の子だったので、わりと普通の生活と変わらないというか、台本を読んだ際、性別が違うだけで好きとか嫌いという気持ちは変わらない。そこは素というか、好きな気持ちはそのままで演じた方がやりやすいのかなという印象は受けました」と語る。
「THE LAST SCENE」の全エピソードに登場する山崎俊を演じる山口さんは、「俊は不器用で人間としては成熟度が低い、調子に乗りやすかったりするキャラクター。少しずつ成長し少しずつイライラするなど、誰もが思春期で感じていたような部分を持っているので、『あんなこともあったな』とかいろんなメッセージを伝えられたら」と話す。
そんな俊と共に、喫茶店内で凪とゆーこのやり取りを見守る宮下さんは、「どこまでコメディーっぽくやるかのバランスは難しかったけど、合間に山口君と話し合いながらできたのが良かった」といい「(吉田さんと新田さん)2人の雰囲気がすごくすてきで見入っちゃいました」と絶賛する。
◇ショートドラマだからこそ表情に注目してほしい
ショートドラマの本作。吉田さんは長編との違いを、「特に難しさは感じないけど、ショートドラマは全部がギュッと入るので、喜怒哀楽など、演じながら湧いてくる感情をすごく大事にしました」と説明する。
そう話した吉田さんは、本作では「表情」に注目してほしいと言い、「きっと表情には裏テーマみたいな部分があると思う。短編だからこそ表情で伝える部分もあり、せりふがないときも『彼女はどういうことを考えているんだろう』とかも考えたら、もっと面白くなる。見ている人の中でストーリー性が変わっていくのでは」と話す。
新田さんも、「ギュッと詰まっている中で見せなきゃいけないことがたくさんあるし、長編や連続ドラマとだと成長や変化が見せやすいですが、ショートドラマは短い時間で全部、前後を表現しなきゃいけない。私の役は特にそうなので、役に入る前にいろいろ考えてきました」と下準備したことを明かす。
そんな2人に役柄との共通点を聞くと、吉田さんは、「だいたい一緒だけど、凪はすごく心が広い。それは似ていない(笑い)。あの心の広さを持っていたらいいですけどね。男らしさみたいなのはよく言われるので、共通している部分はあるのかな」と答える。
新田さんは、「(ゆーこは)感情に起伏があるというか、怒ったり泣いたり笑ったりとかを親しい人には見せるタイプなのですが、私も友だちとか親とかに泣いたり怒ったりというのは見せることがあるので、そこはすごく似ているかなとは思いました」と分析する。
◇仕事やプライベートで今後挑戦してみたいこと
4人に仕事やプライベートで今後挑戦してみたいことを聞いてみた。「音楽業も女優業もやっているので、表現者の一人としていろんな幅を広げていけたら」と答えた吉田さんは、「プライベートでは最近、飽き性になってしまっていて。ゲームやアニメが好きなのですが続けることができない。アニメだったら最終話まで見て、ゲームだったらクリアしたい」とちゃめっ気たっぷりに目標を立てる。
新田さんは、「この作品を通じてコメディーが面白いことと、振り切る演技ということが勉強になった。コメディーも楽しいと感じられたので、シリアスな役もやりたいですが、コメディーにも機会があれば挑戦していきたい」と意欲を見せ、「おうちで過ごす時間が増えたので、料理を少しずつ勉強していきたい。高校生の時はお菓子作りをしていたので、もう一回やってみようかな」と話す。
「毎回思うのですが、現場が好きで、現場の雰囲気が作品にも表れると今回も改めて思いました」と話す山口さん。「キャストとして見せる表現や芝居の実力をつけなくちゃいけないけど、それだけではいい作品は作れない。映っていないところ、会わないところで動いていただいている方ともコミュニケーションをとって良い現場作りをし、いろんな現場でいろんな経験をして人間的に成長していけたら」と熱弁。さらに、「見ていただいている方の何か人生の役に立てればいい仕事だなと思います」と語った。
宮下さんは、「もっといろんな役に挑戦したい。それこそ女性同士の話とかもやってみたい。プライベートは作品を作るのが好きなので、今もやっているのですが、刺しゅうを続けてやりたい」と前を見つめた。
◇幅広い人に視聴を望む中、10代、20代に特に見てほしい
同性愛をはじめ、現代社会に通じるさまざまなテーマが盛り込まれた本作を、特にどのような人たちに見てほしいかについて、新田さんは、「台本を見ても(凪とゆーこの)2人が周りを気にして会話を始める、とあり、まだ浸透していないというか、LGBTの方たちに対しての理解力というのがまだちょっと少ないのかなって」と切り出し、「改めて作品を通して『みんな同じように恋しているんだ』とか『同じ気持ちで生きているんだ』というのと同時に、女性だと妊娠とか浮気とかもそうですけど不安になる部分が多いので、そこも一緒に見てわかっていただけたらうれしい」と語る。
宮下さんが、「台本を読んで恋愛の形は自由なんだって改めて思ったので、女性も男性も、年齢も幅広く見ていただきたい」と同意すると、山口さんも、「愛だったり人間って難しいなみたいなところがメッセージとしてあると思うのですが、見ていただく方は、どうとらえてもどう応援していただいてもいい。その中でみんなが思っているくすぶっていたものが温かくなったり思い出してもらったりしてもらえたら」とコメント。そして、「世代を限定せず、大人の方だったら若い時こういうことあったなとか、今からこういうシーンに直面するであろう10代や20代の方だったら、こういうこともあるのかなと見ていただくのが理想。そこに対しての我々のメッセージが何か伝わっていけばいいと思います」と力を込めていた。
ショートドラマ「彼女のカノジョ」は、YouTubeのドラマチャンネル「僕等の物語」で配信中。(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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