ジャニーズ事務所に所属するCDデビュー前の面々「ジャニーズJr.」。以前は「デビュー組」と称されるCDデビューを果たした先輩たちのバックダンサーとして、コンサートや舞台に出演することが多かったが、近年では、連続ドラマ主演、バラエティー番組へのゲスト出演、音楽番組でのパフォーマンス披露など、ジャニーズJr.が主体となって活躍する機会が増えている。2020年はその勢いをさらに増し、連日のように番組出演者に“ジャニーズJr.”の文字を見かけた。演技、トーク、頭脳……とそれぞれが持つ個性で“爪痕”を残した、彼らの1年を振り返ってみたい。
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ジャニーズJr.は、これまでにも数々のドラマに出演しており、人気グループ「嵐」の二宮和也さん、「KAT-TUN」の亀梨和也さんはJr.時代に連ドラで主演を務めていた。また、人気学園ドラマシリーズ「金八先生」(TBS系)の生徒役キャストには、毎回ジャニーズJr.のメンバーが抜てきされるなど、Jr.にとってドラマへの出演は、以前から“成長できる場所”であった。
そんな中、今年はNHK連続テレビ小説(朝ドラ)、NHK大河ドラマ、フジテレビ系“月9”ドラマといった、“伝統枠”への出演が目立った。今年3月まで放送された朝ドラ「スカーレット」には、関西ジャニーズJr.のグループ「Aぇ!(エエ) group」の正門良規さんが、ヒロイン・川原喜美子(戸田恵梨香さん)の妹・直子(桜庭ななみさん)の恋人である鮫島正幸役で出演。ジャニーズJr.のグループ「HiHi Jets(ハイハイジェッツ)」の井上瑞稀さんは、大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)に、織田信長(染谷将太さん)の長男の織田信忠役での出演が決定した。
また、“月9”として親しまれるフジテレビ系月曜午後9時放送のドラマでは、4~10月に放送された「SUITS/スーツ2」第5話に「HiHi Jets」の高橋優斗さん、11月から放送中の「監察医 朝顔」第2シーズンの第1話に「Travis Japan(トラビスジャパン)」の松田元太さんがゲスト出演した。
グループとしては、「美 少年」が7~9月に放送された「真夏の少年~19452020」(テレビ朝日系)、関西ジャニーズJr.の「なにわ男子」が10~12月に放送された「メンズ校」(テレビ東京)で主演。正門さん、井上さん、高橋さんに加え、「Travis Japan」の中村海人さん、宮近海斗さん、「なにわ男子」の道枝駿佑さん、「美 少年」の那須雄登さんらは、連ドラでレギュラーキャストを務め、年間を通してジャニーズJr.がドラマに出演する姿が見られた。
そして、今年ひときわ目立っていたのがバラエティー番組での台頭だ。特に、「ジャニーズクイズ部」として集まった高学歴のメンバー、「Travis Japan」の川島如恵留(のえる)さん、「美 少年」の那須さん、浮所飛貴(うきしょ・ひだかさん)、「7 MEN 侍(セブンメンサムライ)」の本高克樹さん、「Aぇ! group」の福本大晴さんらは、頭脳を生かし「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」(月曜午後9時、テレビ朝日系)、「くりぃむクイズ ミラクル9」(水曜午後8時、同)をはじめとする数々のクイズ番組で活躍した。
そのほか、「ダウンタウンDX」(読売テレビ・日本テレビ系、木曜午後10時)には、「もっと売れたい! ジャニーズJr.自己PR合戦!」と題して「美 少年」と「HiHi Jets」が登場。「ネプリーグ」(フジテレビ系、月曜午後7時)には、ジャニーズJr.の“次世代エース”として「少年忍者」が出演した。
また、「なにわ男子」は、全国ネットでの冠番組「なにわ男子と一流姉さん」(テレビ朝日系、土曜午後11時半)を1クール限定で担当。これまでも関西ジャニーズJr.が関西ローカルでの冠番組を持つことはあったが、全国ネットで冠番組を持つのは“異例”で、発表時にはSNSを中心に大きな反響を呼んだ。バラエティーは、それぞれの性格やキャラクター、持ち味が表れやすく、グループや個人をアピールする絶好の機会となっていたようだ。
10月に放送された音楽番組「ミュージックステーション(Mステ)」(テレビ朝日系、金曜午後9時)には、「Travis Japan」「HiHi Jets」「美 少年」「7 MEN 侍」「少年忍者」「Jr.SP」「IMPACTors(インパクターズ)」、関西ジャニーズJr.の「なにわ男子」「Lil(リトル)かんさい」「Aぇ! group」と、東西10組のグループが集結。総勢75人でメドレーを披露した。
今までにも、ジャニーズJr.が「Mステ」でパフォーマンスすることはあったが、これだけのグループが一堂に会するのは番組史上初。スペシャルなステージに出演発表時から期待の声が続々と寄せられただけでなく、放送中には新グループとして「IMPACTors」が“お披露目”され、ツイッターではグループ名がトレンド入りするなど、多くの話題と注目を集めた。
色とりどりの個性を武器にジャニーズJr.という枠組みを大きく広げ、活躍の場を増やしていった2020年。来年は一体どんな“爪痕”を残してくれるのか、“若き才能”たちの今後が楽しみだ。