ダンダダン
第6話「ヤベー女がきた」
11月7日(木)放送分
特撮ドラマ「仮面ライダーゼロワン」の新作映画「劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME」(杉原輝昭監督)が公開中だ。不破諫/仮面ライダーバルカンを演じた岡田龍太郎さんと、刃唯阿/仮面ライダーバルキリー役の井桁弘恵さんの対人工知能特務機関「A.I.M.S.(エイムズ)」の2人に、諫と唯阿の関係性や同時変身の裏側、俳優としての今後の目標などを聞いた。
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共に「A.I.M.S.」の一員として共演してきた2人だが、井桁さんは、岡田さんについて「最初は大学が一緒ということで盛り上がり、“関西弁の面白いお兄さん”みたいな印象だった」と感じたといい、撮影が進むにつれて「諫らしさが岡田さんにもつながって、最後は関西弁の熱いお兄さんになっていました」と振り返る。
一方、撮影現場では「良い意味でお兄さん感をあまり出さない」と切り出し、「唯阿として諫に強いことを言う場面があっても、カットがかかったら急に先輩という感じではなくて、フランクに接してくださった。だから唯阿として強く言えたというのはあります」と感謝する。
対等に接したことを「まったく意識していない」と話す岡田さんは、「(井桁さんは)お姉さん感が強くて、現場でも手綱を引くというか引っ張ってくれていた。そういう意味では年齢でどうこうというのはないですね」と話す。さらに「井桁さんが天真爛漫(らんまん)な感じもあるし、笑顔もすてきな方なのに対し、唯阿はちょっとツンツンしている感じでギャップがすごい。途中からは唯阿に井桁さんらしさも出てきていた印象もあります」と、井桁さんと役とが次第に重なっていったという。
お互いに印象に残っているシーンを聞くと、岡田さんは「最初に2人がぶつかったところかな。「『A.I.M.S.の隊長は俺だ』って、すごい距離感で芝居した強烈な印象があります」と切り出し、「狼とチーターといった動物のような感じで、犬猿の仲みたいな雰囲気もあり、諫と唯阿の関係がよく表れているなと思いました」と感慨深げに振り返る。
一方、印象に残ったシーンは「いっぱいある」という井桁さんは、「バルカンと(ファイティング)ジャッカル(レイダー)のやり取りで、『おまえは仮面ライダーになるべきじゃなかった』とバルカンのベルトをはがそうとするシーン」と第33話のエピソードを挙げる。
井桁さんはその理由を「その芝居は見ておかなきゃいけないと思い、生で見させてもらったのですが、すごく感情が伝わる芝居で(スーツアクターの)藤田(慧)さんと一緒に苦しんでいる感覚もありました。それを見たことで自分の気持ちを作りやすかったですし、A.I.M.S.にいたときとは違う2人の関係性での芝居だったので印象に残っています」と語る。
諫と唯阿の“コンビ感”を出すため2人で相談することもあった中、同時変身のシーンでは「並んだ方が同時変身しやすいのですが、諫が一歩前に出ていた」と井桁さんが明かすと、岡田さんは「あったね(笑い)。視界の端で確認しながらの方が同時変身はそろいやすいから、そういう時は決まって(井桁さんが)『下がりなよ』と言ってくれていました」とうなずく。
岡田さんは当時の状況について、「本当はそろった方がいいけど、そのシーンでは滅亡迅雷に対する思いがものすごく強くて。アサルトウルフに変身する時、諫の気持ち的には自分が死んでも前に行くぐらいの感じだったので、そこはちょっと並んではいられませんでしたね。でも『わからないから下がった方がいい』って(笑い)」と説明。聞いていた井桁さんも「そういうので話し合いというか、お互いに意見を出し合うことはありました」と息の合った様子で話す。
劇場版では諫、唯阿、迅(中川大輔さん)、滅(砂川脩弥さん)、天津垓(桜木那智さん)による5人同時変身を披露。2人よりも難易度が高い撮影だったが、井桁さんが「みんなお互いの動きを把握しているから、うまくいきました。滅に合わせましたよね?」と言うと、岡田さんは「いや俺は合わせていないかな。周りが合わせてくれた気がします」と苦笑い。
すると井桁さんが、「岡田さんの変身ポーズは動きが大きくて合わせやすいですし、みんな各々『変身』と言うタイミングをわかっている。それは1年やってきたからこその同時変身かなと思います」とすかさずフォロー。岡田さんも「胸アツなメンバー。(物語の)最初では絶対にありえない。欲を言うならゼロワン(高橋文哉さん)と亡(中山咲月さん)と雷(山口大地さん)もいてほしかった」としみじみ語る。
劇場版の諫&唯阿の注目ポイントを聞くと、岡田さんも「或人とイズ(鶴嶋乃愛)のようにつきっきりの関係ではなく、お互いが自由な感じというか『あうんの呼吸』でしゃべらずともわかるような関係性」とコンビ感を評し、「(唯阿を)助けに行ったところは唯阿に対する心配とかあったともあったと思うけど、『仮面ライダーのお出ましだ』というせりふは唯阿に対してかっこつけたのかもしれない(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに話す。
井桁さんは「共演シーンが限られていますけど、だからこそいいのかなって。お互いがお互いを頼らず自分の信念に従って行動している感じが出ているのでは」と切り出し、「1年たったお互いが自立して成長したからこその戦い方。ぜひ楽しんでください」とメッセージを送る。
そんなコンビ感あふれる岡田さんと井桁さんに改めてテレビシリーズを振り返ってもらうと、岡田さんは「長かったようで短かった感じ。一つの役に向き合い続けるという経験自体、なかなかない経験だと思うので、良い経験ができました」と充実感をにじませる。新型コロナウイルスの影響による撮影中断については、「話数が少なくなってしまったことなど、、残念だなという思いはあります。それでも最後までこぎ着けられたのは奇跡に近いようなことなのかなって」としみじみ。
井桁さんも「毎話撮れることのありがたさとか、当たり前じゃないんだなというのは改めて感じました」とうなずき、「今思うとあっという間だけど、振り返ると本当に長かったし、いろいろあった。世の中的にもいろんなことがあった状況で、多少の後悔や悔しさはありますけど、最後はやりきったと思えたので良かった」と笑顔を浮かべる。
今後出演してみたい作品は?という質問に、「『ゼロワン』をやってアクションが楽しかったので、(作品や役との)巡り合わせもありますがアクションをやってみたい」と話す岡田さんに、今後の俳優としての理想像を聞くと、「情熱を欠かさず役と真剣に向き合っていく姿勢でやっていきたい。一つ一つの作品や役を大切にやっていけるような人になりたい」と力を込める。
一方、井桁さんは「戦う強さはもちろん、精神的に自立した強さや自分の足、自分の意思を強く持って生きていけるような女性に憧れます。そういう強さを持った女優にこれからなれたらいいなと思います」と語っていた。(取材・文:遠藤政樹)
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