ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
映画「キル・ビル Vol.1」のアニメーションパート、オリジナルアニメ「B:The Beginning」で監督を務めた中澤一登さんが描くオリジナルテレビアニメ「海賊王女」が、10月2日からMBS、TOKYO MX、BS朝日で順次放送される。18世紀×王女×侍×海賊がテーマの作品で、ヒロインの少女、フェナ・ハウトマンが父が残した「エデン」という言葉の謎を解くべく船旅に出る姿が描かれる。フェナを守る真田家の青年・雪丸を演じるのが鈴木崚汰さん、真田家の精鋭部隊の一人、紫檀(したん)を演じるのが櫻井孝宏さんだ。鈴木さんはデビュー前から櫻井さんの演技に憧れていたといい、櫻井さんは鈴木さんが演じる雪丸に「男臭い色気を感じる」と話す。作品の見どころ、アフレコの様子、お互いの印象を聞いた。
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鈴木さん 雪丸は「ハウトマン家に仕えることが全て」と言われて育ってきたこともあって、フェナのことしか眼中にないというか、そのほかのことはどうでもいいという部分があります。ただ、10年前にフェナを守り切れなかったことに対する後悔はずっと抱えている。フェナと雪丸の純粋な恋模様も描かれるので、雪丸の芯の強さ、フェナへの恋愛感情という部分は強く意識して演じていました。
櫻井さん 真田家の個性の強い人の集まりの中で、紫檀はやや大人な目線というか、バランサーみたいなところがあります。紫檀は戦いでは弓を扱うのですが、それが彼のディテールというか、いろいろなものを説明しているんじゃないかなと思いましたね。剣とは違う、ロングレンジで、正確さや集中力が求められて、軌道をコントロールできるような、直線的ではない武器を操るところが彼の性格の説明にもなっているのかなと。一方、雪丸は刀の人というか、不器用であったり、直線的で堅さがある印象ですね。
鈴木さん 今櫻井さんに言われてたしかにと思いました。そういうところからキャラクターを作っていくんですね。
櫻井さん 今思い付いただけだよ(笑い)。
鈴木さん それを言わなかったらめちゃくちゃ格好いいのに(笑い)。雪丸は重くて真っすぐな刀を扱うのですが、彼の一言一言の堅さ、重さ、説得力みたいなものはかなり意識して演じています。
鈴木さん 真田家が飼っているブルールという犬がいるんですけど、実は第1話のアフレコ終わりに「この犬に声を当てたい」ということでオーディションをすることになったんです。僕と、槐(佐藤元さん)、椿(つばき、大須賀純さん)、真樺(まかば、田中進太郎さん)の4人がオーディションを受けて、選ばれたのが佐藤元さんの犬だった。その犬がすごく寄り添ってくれるんですよ。結構大事な犬ですね。白くて大きくて可愛いんです。
櫻井さん 私もワンちゃんの収録は何度か立ち会いましたね。ワンちゃんを演じる方が気合が入っていたんじゃないかと(笑い)。
鈴木さん せりふの尺は厳密にはないにしろ、目安みたいなものが作られていて、どうしても入らないような長ぜりふは、監督も寛容に芝居優先にしてくださって、自由にやらせていただきました。侍たちがわちゃわちゃ話しているようなシーンは、皆さん1、2話の段階からアドリブでやられていたのが印象的でした。演技のオーダーやディレクションもそんなに多くなかったですね。
鈴木さん これは大事なことなんですけど、雪丸は童貞なんです。雪丸は戦闘中や大事なところではすごくしっかりしているんですけど、いざ戦いが落ち着いたところでは、フェナが触れただけで耳が真っ赤になるような、かなりうぶなキャラクターなんです。
櫻井さん 耳だけ赤かったよね。可愛い。
鈴木さん そういうシーンがあったので、アフレコの休憩中、監督に「もしかして彼はそういうことなんですか?」と聞いたら「そうです」と言われたので、じゃあ、それも加味して芝居をしないといけないなと。大事な事実でしたね。
櫻井さん 周りのキャラにも女性関係では「達者だ」とよく言われているので、雪丸と紫檀はその辺りの対比も面白いですね。雪丸は男気があって堅物なんですけど、紫檀は柔軟というか。
鈴木さん 僕はデビュー前から今に至るまで櫻井さんのお芝居をずっと参考にしているというか、櫻井さんのお芝居でずっと勉強してきたんです。
櫻井さん えっ、やめたほうがいいよ(笑い)。
鈴木さん いやいや(笑い)。櫻井さんは、アニメとして脚色しないようなお芝居の中でも、存在感あって、独特な言い回しをされているというか。個性があるお芝居に憧れがあるので、どうにかして自分の中に落とし込めないかと。キャラクターの口調から盗めたらなと考えています。
櫻井さん そうなんですね。私は彼がデビュー間もないぐらいで初めて作品で一緒になったのですが、その時点でキャリアに釣り合わないお芝居をしているなと思ったんですよ。何年もやっているんじゃないかなと思うような深みのある演技で、それでいて、何かテーマを持ってやっているのかなという意志めいたものも感じました。
櫻井さん 男臭さとか真っすぐさとか、今回の雪丸のような表現が新鮮でしたね。雪丸のうぶな感じに色気があるんですよね。ふっと触れたくなってしまうような。近寄りがたさもあるんですけど、男臭い色気が同居しているなと。
鈴木さん 恐縮です。
櫻井さん 雪丸って表現の幅が結構狭いんですよね。狭いところを狙ってアプローチしていかなければいけない役だったりするので難しい。鈴木君は、キャラクターを崩さずに、可愛げやチャーミングな感じを狙って表現しているんじゃないかと。こういうのは、狙いすぎると野暮(やぼ)になってしまうんです。キャラクターをぶれさせずに、かつ、すっと素を見せるようなアプローチが絶妙だなと思いましたね。
鈴木さん その通りです(笑い)。いや、でも端々にそういう部分が見えたらいいなと思って演じていました。紫檀は、雪丸と違ってもうちょっと自由に表現なさっていると思うんですけど、ひょうひょうとしているその内側に抱えている影というか、紫檀には紫檀の使命があるという部分の匂わせ方というか。「怪しいな、こいつ」というのが最初から伝わってくるのは、櫻井さんの得意技である“匂わせ”が……。
櫻井さん 特技は匂わせです(笑い)。
鈴木さん 僕は、これまでも櫻井さんと共演はあるのですが、ちゃんと掛け合うのは今回が初めてで、とてもうれしいです。収録中も櫻井さんの表現をちゃんと聞かなきゃという気持ちになります。
櫻井さん 映像は外せませんね。侍たちのアクションもそうですし、背景から何から素晴らしくて、絵だけで十分見せてくれるクオリティーです。海賊であったり、侍であったり、キーワードは耳なじみのあるものが多いのですが、それをうまく一つの作品の中に凝縮して、映画的なスケールのお話になっています。それが最後どんなふうに結末を迎えるのか。第1話を見ていただければ続きが気になると思います。
鈴木さん PVを見ていただいても分かるように、アニメーションが素晴らしいです。作品の世界観、風景、壮大さ、キャラクターの目線一つに表れる感情などが、すごく繊細に描かれています。また、フェナの役割と責任が何なのかという謎を解き明かしていく冒険もすごく面白いので、ぜひ注目して見ていただきたいなと思います。
「海賊王女」は、18世紀×王女×侍×海賊がテーマのアニメで、18世紀の大西洋を舞台に、運命に翻弄(ほんろう)されるフェナ・ハウトマンの旅路と成長を描く。フェナが、青年・雪丸たちと共に<エデン>の謎を解く旅に出ることになる。梶浦由記さんが音楽を担当し、アニメ「攻殻機動隊」シリーズなどのプロダクションI.Gが制作する。瀬戸麻沙美さんがヒロインのフェナ・ハウトマンを演じる。
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