アイドルグループ「SKE48」の元メンバーの高柳明音さんが出演する舞台「ナナシ2021」が12月9日から中川文化小劇場(名古屋市中川区)で上演される。高柳さんが今年4月30日にグループを卒業してから約7カ月がたった。現在は舞台を中心に女優として活躍している。「ナナシ2021」の幕開けに向けて、けいこ中で「毎日が刺激的」と感じているという高柳さんに舞台にかける思い、卒業後の変化などについて聞いた。
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高柳さんは1991年11月29日生まれの30歳で、名古屋市出身。2009年にSKE48に加入し、チームKIIのリーダーなどとして活躍した。舞台「ナナシ2021」は、隠れ里に潜む徳川家康の前に、ナナシという男が現れ、自らが倒した暗殺者集団・四神無双の物語を語り出す……というストーリー。2009年にも上演されており、約12年ぶりに復活することになった。東海地方出身のアーティストやスタッフを中心にアクションエンターテインメントを展開する「30-DELUX NAGOYA」と「アクションクラブ」が手がける。
川原正嗣さんがナナシを演じるほか、服部半蔵役の名古屋山三郎さん、白虎役の村瀬文宣さん、鷹丸役の古畑奈和さんらが出演する。高柳さんは秘術によって人を超える力を与えられた朱雀を演じる。舞台は「アクションエンターテインメント」がコンセプトで、高柳さんは殺陣を披露する。
「けいこでもずっと殺陣を練習しています。私が演じる朱雀は、12年前の舞台では、術を使うことが多かったのですが、12年の時を経て、殺陣中心になりました。舞台『戦国BASARA』に出演させていただいた時も少し殺陣の経験があり、その時にお世話になった30-DELUXさんにお話をいただき、今回も殺陣をつけていただいています。殺陣は得意とは言えないですけど、SKE48を卒業してから体を動かすことが少なくなっていますし、運動は好きなので、うれしいです。壁にぶち当たることも多いのですが。なかなか、皆さんに追いつけなくて」
公開されている朱雀のPVは、赤い衣装で美しく舞う高柳さんの姿が印象的だ。
「朱雀の殺陣は中国武術のような動きを取り入れていて、クルクル回るんです。殺陣をしながら、術も使います。衣装はスカートで、動くとスカートが舞います。キレイに見えるように考えながら練習をしています。ダンスと殺陣では脚の動きが違うんです。ダンスは、手と足が同時に出ることがないですが、殺陣ではあるんです。ナナシ役の川原さんがとにかくすごくて! みんな、川原さんを見て勉強していますし、私も食らいついていこうとしています。最初は皆さんに追いつけなかったけど、覚えるスピードも速くなってきました。朱雀はキレイに舞い、強さもなければいけません。舞台の華になれるように、頑張ります!」
高柳さんは、けいこに励む日々を「毎日が挑戦」と語る。
「毎日、新しいことに挑戦していて、吸収することがたくさんあります。SKE48を12年やってきた中で、後輩たちに与える立場、教える立場になることが多かったのですが、今は新しく知ることばかりで、楽しいんです。毎日が刺激的です。殺陣を全部忘れてしまって、幕が上がる……という夢を見たこともあって。気持ち的には楽しみですが、どこかで不安なのかもしれませんね」
SKE48の経験も生きている。
「SKE48時代にたくさんステージに立たせていただいた経験もありますし『できない』『無理』とは言いたくないという気持ちがあります。『難しいかも……』となっても『できないとしてもやってみよう!』と臨んでいます。SKE48を卒業して、生活がめちゃくちゃ変わったわけではありません。グループにいた時から、一人で舞台に出演させていただいた経験もありますし。いきなり一人になったという感じではないんです。大きく変わったのが、なかなか名古屋に帰れないことです。実家で鳥を飼っているので、会えないのが寂しいです」
「ナナシ2021」は地元・名古屋でスタートする。名古屋には特別な思いがある。
「名古屋ゆかりの舞台で、けいこも名古屋でやっています。地元愛があるので、うれしいですね。自分が育った場所、グループで12年活動してきた場所で、いろいろな方にお世話になっています。名古屋のことをもっと知っていただけるように活動をしていきたいです。名古屋でお仕事をした時に『おかえり』と言っていただけるように頑張りたいです」
今後の活動について「お芝居を中心にやっていき、いろいろな舞台、映画にも出てみたいです。アクションにも挑戦してみたいです」と語る高柳さん。強い気持ちで、女優として躍動していくはずだ。