SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第3話 驚愕の真実 大恩人くま
11月17日(日)放送分
総合格闘技のイベント「UFC271」が2月13日(日本時間)に米テキサス州で開催される。メインイベントは、ミドル級王者のイズラエル・アデサニヤ選手が前王者ロバート・ウィテカー選手を迎え撃つタイトル防衛戦。UFCの模様を放送するWOWOWの番組「UFC-究極格闘技-」の解説者で、“世界のTK”として知られる高阪剛さんに試合の見どころを語ってもらった。
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前回の試合が終わった後、まず心配だったのはウィテカー選手の状態でした。アデサニヤ選手に敗れた後に、いわゆるバーンアウト、燃え尽き症候群に陥っていたという発言があったので。実際、負けてから次の試合まで10カ月もの間隔が空きましたよね。おそらくその期間にいろいろと思うところがあったんでしょう。心情的なところを察するに、地元オーストラリアの大観衆の前でKO負けを喫して王座陥落したというのは、現実逃避してもおかしくないくらいのショックだったと思うので。
そういう大一番での完敗でしたから、これは燃え尽き症候群になっても致し方ない、というところでしたよね。それでもその後、3連勝してアデサニヤ選手と再戦にこぎ着けたのは、さすがだなと。その3試合の映像を改めて見返してみて、ウィテカー選手の現在の状態というのが、今度の試合のキーになるかなと思ったんです。
そうですね。まず1試合目のダレン・ティル選手戦では、1ラウンドの立ち上がりこそパンチの空振りが目立ったり、カウンターで肘をもらってフラッシュダウンもして、「これ大丈夫かな?」というところが見られたのですが、途中から持ち直したんですよね。最終的に自分の打撃をしっかり当てて、タックルでテークダウンもして判定勝ち。
次のジャレッド・カノニア選手戦では、ウィテカー選手より長身でパンチ力もある選手でしたけど、ウィテカー選手はそのパンチを当てさせない遠い距離設定をとりながら、自分は速い踏み込みで効かせる打撃を入れるという、彼本来の戦いがしっかりやれていたと思うんですよ。このカノニア選手戦でしっかり感覚と自信を取り戻して、3戦目のケルヴィン・ガステラム選手戦でも同じような戦いで、なおかつ打ち合っても勝ってたんで。自信が確信に変わったのかな、と。
ただ、「それがはたしてアデサニヤ選手にも通用するのか?」ということだと思うんですよ。アデサニヤ選手は手足が長くて、打撃がすごくテクニカルというだけでなく、相手がプレッシャーをかけてきたら、それを回避するためにバックステップをして、サイドに回りこむ動きをよく入れる。正面からの打ち合いはしないタイプじゃないですか。
ウィテカー選手は踏み込みが速いので、前回のアデサニヤ選手戦でも遠い間合いから踏み込んで、1発目の打撃はしっかり当ててるんですよ。でも、一発当てて「いける!」と思って追ったところで、アデサニヤ選手のカウンターをもらってしまっていた。だから今回の再戦で、ウィテカー選手は一発当てた後、「二の手、三の手を出すべきときなのか、逆にここは行かずに引くべきところなのか」を考えてくるんじゃないかという気がするんですよね。
前回と同じ轍(てつ)を踏まないためにも、そこがキーになってくると思います。
アデサニヤ選手は、昨年3月にヤン・ブラホヴィッチ選手が持っていたライトヘビー級王座に挑戦した際、1階級上とはいえ「寝かせてしっかり押さえ込んでしまえばなんとかなる」というところをちょっと露呈してしまった感がありましたよね。
だから前回のマーヴィン・ヴェットーリ選手戦では、タックルのディフェンスはさらに上達してはいましたけど、やはり寝かされたシーンは何度かあって。また寝かされないにしても、スタンドの組みの攻防の後は、ちょっとスピードが緩くなってたんです。
だから、そうやって体力を削っていくことができれば、突破口が見えてくる可能性がある。ウィテカー選手は空手出身のストライカーなので、タックルをゴリゴリ仕掛けてくるタイプではないですが、要所要所で相手の状態を見てタックルに入るのがうまいんですよ。MMA(総合格闘技)って心理戦の要素も重要なんですけど、相手がちょっと焦っていたり、状態が崩れたところに仕掛けるのがウィテカー選手はうまい。
そうです。ラウンド終わりでしっかりテークダウンを取るとか、その辺のテクニックはかなりのものを持っているので、そういうのを混ぜられると、また前回とは違う試合展開になるのかなと思いますね。
前回はウィテカー選手の方に「俺は打撃でもアデサニヤより上だ」という思いが強すぎて、それ一辺倒になってしまった気もするんです。実際、アデサニヤ選手に対して正攻法であれだけしっかり打撃を当てることができた選手って、ウィテカー選手ぐらいだと思うんですよね。だから今回はその強みを活かすためにも、タックルを含めたMMAの技術をいろいろと混ぜながら、試合の駆け引きも考えた戦いをしてくるんじゃないかと思います。
ただ、アデサニヤ選手の方も当然、ウィテカー選手が前回と同じような戦法でくるとは思っていないだろうし、ウィテカー選手が考えていることをさらに上回る対策を考えている可能性もありますから、もうこれはどうなるかわからないですね(笑)。
それは間違いないと思います。そもそもミドル級という階級は、フィジカルが飛び抜けているだけでもダメだし、テクニックだけでもダメ。重量級のパワーと軽量級の技術を持ち合わせた上で、さらにスペシャリティーを持っていないと勝ち残れない世界ですから。その頂点を決めるアデサニヤVSウィテカーというのは、MMAのいろんな要素が詰まったトップ・オブ・トップの戦いが見られるんじゃないかと期待してます。
「UFC271」の模様は「UFC-究極格闘技-UFC271 in ヒューストン ミドル級最強王者アデサニヤVS最強挑戦者ウィテカー」と題して、2月13日正午にWOWOWライブで生中継される。また、19日午前0時にWOWOWライブでリピート放送される。両日とも、WOWOWオンデマンドで同時配信される。
2024年11月18日 10:00時点
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