家庭教師のトラコ:第1話から“橋本愛ショー”に P語る遊川和彦からの“挑戦状”

連続ドラマ「家庭教師のトラコ」のプロデューサーを務める大平太さん
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連続ドラマ「家庭教師のトラコ」のプロデューサーを務める大平太さん

 女優の橋本愛さん主演の連続ドラマ「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系、水曜午後10時)が7月20日に始まる。脚本家の遊川和彦さんとプロデューサーの大平太さんのタッグによるヒューマンドラマで、それぞれ問題を抱えた三つの家庭を、橋本さん扮(ふん)する謎の家庭教師・根津寅子(通称トラコ)が救う物語になる。橋本さんの演技について、大平さんは「第1話を撮ったら“橋本愛ショー”になっていました」と驚きを語る。大平さんに、トラコ役に橋本さんを起用した経緯、今作の見どころなどを聞いた。

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 ◇「35歳の少女」で印象的だった橋本愛の熱唱シーン

 ドラマは、大ヒットした「家政婦のミタ」(2011年)を生み出した遊川さんと大平さんによるオリジナル作で、2人が手掛けた「同期のサクラ」(2019年)、「35歳の少女」(2020年)に出演した橋本さんが主演を務める。

 大平さんは、「同期のサクラ」の制作時の話として、遊川さんが橋本さんの起用を望んでいたといい、実際に演技を見て「初めてご一緒した橋本さんは当時23歳でしたが、僕と遊川さんで『すごい役者だね』という話をしていました」と明かす。さらに、2回目の起用となった「35歳の少女」では、印象的なワンシーンがあったと語る。

 「(橋本さん演じる時岡愛美が)『難破船』を酔って熱唱するシーンがありましたが、遊川さんと一緒に『すごいですね』という話になって、いつか彼女を主演にして何かやりたいという話をしました。普段の橋本さんはミステリアスで、陰か陽で言えば陰で、とてもクールなイメージがありますが、お芝居になると途端にスイッチが入ります。そういう俳優さんは多いのですが、その中でも群を抜いていました」

 当時、橋本さんについて「女優としての階段を着実に上がっていく人」という印象を抱いた大平さん。主演作は5~10年後のイメージだったというが、「35歳の少女」から2年後の今年、早くも主演に起用した。

 「トラコの企画を出した時、最初は30代くらいの主人公をイメージしていました。話を作る中で、トラコと対峙(たいじ)する3家族のお母さんを30、40、50代という三つの世代にしたいと思った時、主人公は20代となり、遊川さんと『じゃあ、橋本さんじゃないの』という話になりました」

 ◇遊川和彦「難しいハードルを用意したくなる」

 トラコは、3家族それぞれの環境に合わせて服装やキャラクターを変化させる役どころで、魔法使いのメリー・ポピンズ風、熱血教師風、色っぽくも妖しい教師風を使い分ける。大平さんは「多重人格の役以外では、複数の全く違うキャラクターを一人の人間が同じドラマの中で使い分けるのはあまりやったことがないと思います」と語りつつ、「第1話を撮ったら“橋本愛ショー”になっていて、『すごいな。この女優』と改めて思えました」と、橋本さんの好演を明かす。

 大平さんによると、遊川さんは橋本さんについて「こちらが難題を言えば言うほどクリアしてくれる。センターに置いて、すごく難しいハードルを用意したくなる」と語っているという。大平さんは「(今作は)遊川さんが橋本さんに用意した“挑戦状”であり、きっとハードルを越えてくれるだろうという当て書きのような感じがしています」と想像を膨らませる。

 今作の見どころを聞くと、大平さんは「大げさに聞こえるかもしれませんが、2022年に橋本愛というすごい女優が26歳の若さでいるんだよ、というのを見てほしいです。今回、僕らは橋本さんと一蓮托生(いちれんたくしょう)です。全て彼女に懸けてやっています」と力を込めていた。

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