2001年7月19日にPS2向けに発売され、全世界累計2080万本以上を売り上げたRPG「ファイナルファンタジーX」を歌舞伎化した「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」が、2023年3月4日~4月12日にIHIステージアラウンド東京(東京都江東区)で上演されることが分かった。新作歌舞伎の上演を記念し、主人公のティーダとヒロインのユウナが描かれたビジュアルが公開された。スクウェア・エニックスのイメージ・スタジオ部とクリエイティブ推進部が同公演のために新たに制作したビジュアルで、ザナルカンドを背景にティーダとユウナがほほ笑みあっている。
あなたにオススメ
「豊臣兄弟!」では池松壮亮が! 大河ドラマ“秀吉俳優”史を振り返る
「ファイナルファンタジーX」のキャラクターデザインを担当した野村哲也さんは、歌舞伎化について「『ファイナルファンタジーX』は昨年で20周年を迎えたのですが、情勢的にも大きなお祝いはできていませんでした。そんな中、今回のお話をいただき、驚きと共に『ファイナルファンタジーX』らしい祝宴になるように感じました。何よりこの作品への熱い思いを伺い、我々ではなし得ない『ファイナルファンタジーX』の世界を見せていただけることに期待が膨らんでおります」とコメント。
「すでに衣装などキャラクターのビジュアルも監修させていただきましたが、そこからも作品への愛とこだわりを実感しました。そして今回の新規ビジュアルも、その熱い思いを受けてご用意させていただきました。彼らの物語が伝統芸能によって新たにどう紡がれるのか、自分も今から思いをはせております」と話している。
新作歌舞伎の配役も発表され、尾上菊之助さんがティーダ、中村米吉さんがユウナをそれぞれ演じることが分かった。中村獅童さんがアーロン役、尾上松也さんがシーモア役、坂東彌十郎さんがジェクト役として出演する。
ゲームで主人公・ティーダの声優を務めた森田成一さん、菊之助さんがナレーションを務める第2弾スポット映像もYouTubeで公開された。森田さんは「僕にとって『ファイナルファンタジーX』、そして『ティーダ』はあまりにも特別な存在で、心の中の誰にも見つけられない場所に静かに置いてあります。そんな作品が二十余年の時を経て、再び脈動し始めました。尾上菊之助さんが呼び起こしました! スクウェア・エニックスによる映像が、IHIステージアラウンド東京という最新の劇場で、伝統芸能・歌舞伎と融合する……! 日本が誇る『伝統と最新』のエンターテインメント。これこそ正に“FANTASY”です! 劇場に行くのが今から楽しみでなりません!」とコメントを寄せている。
「ファイナルファンタジーX」は、架空の球技「ブリッツボール」の選手で異世界スピラに召喚された少年ティーダと、召喚士の少女ユウナが魔物「シン」を倒すため冒険の旅に出るというストーリー。シリーズで初めてキャラクターボイスを採用し、状況に応じて表情が変化するフェイシャルアニメーションの採用によって、キャラクターが感情豊かに描かれ、切ないストーリーは多くのユーザーに愛された。PS2を代表するヒット作となり、後に多くのハードでリマスター版が制作された。
新作歌舞伎は、菊之助さんが企画と演出を手がけ、NHK連続テレビ小説「おちょやん」、「家政夫のミタゾノ」(テレビ朝日系)などを手がけた八津弘幸さんが脚本を担当する。共同演出は、「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」やB’zのドームツアーで知られる金谷かほりさんが務める。
ティーダ:尾上菊之助▽アーロン:中村獅童▽シーモア:尾上松也▽ルールー:中村梅枝▽ルッツ、23代目オオアカ屋:中村萬太郎▽ユウナ:中村米吉▽ワッカ:中村橋之助▽リュック:上村吉太朗▽ユウナレスカ:中村芝のぶ▽キマリ:坂東彦三郎▽ブラスカ:中村錦之助▽ジェクト:坂東彌十郎▽シド:中村歌六